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買ったからには全部言いたい! ニコン「D3100」の実力 第6回

D3100 vs α55(その1)――磨かれた既存技術と新技術の対決

2010年11月25日 12時00分更新

文● 小林 伸

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従来機よりは小型なのかもしれないが……

正面からの比較。α55のほうが若干低い

正面からの比較。α55のほうが若干低い

 α55はペンタプリズムを廃したことで、ボディが従来比(α550)で約23%小型化され、重量も約26%軽量化されたという。ただ、D3100と並べると、さほど大きさは変わらないと感じる。

側面からの比較。左のα55のほうが右のD3100より奥行きがある

側面からの比較。左のα55のほうが右のD3100より奥行きがある

 ペンタ部や軍艦部の高さがD3100のほうがほんの少し高いかな? くらいで、厚みなどはほぼ同様になっている。α55がいくら小型化されたとはいっても、従来のαマウントレンズを装着する上でのフランジバック(ソニーα Aマウントは44.5mm、ちなみにニコンのFマウントは46.5mm)までは変更できないので、同社「α NEX」のような大胆なボディの薄型化はできないのだろう。

 さらに小型化を目指すために、ソニーはNEX用の「Eマウント」を作ってしまったわけで、そのあたりが同社のすごいところである。ただ、言い換えれば従来からのレンズを踏襲しようとする限り、びっくりするほどのボディの小型化は無理だ、ということでもある。

両機で内蔵フラッシュをポップアップさせたところ。α55はペンタ部自体がないが、ファインダーが後ろ側へと長く続いている

両機で内蔵フラッシュをポップアップさせたところ。α55はペンタ部自体がないが、ファインダーが後ろ側へと長く続いている

 そういう意味ではD3100は従来の技術そのままで、ここまで小型化できているというところが評価できる。せっかくペンタプリズムを廃してコンパクトにできる要因があるのに、α55がそれほど小型化できなかった理由には、内蔵フラッシュがペンタ部にあることも起因しているだろう。

上面から見るとファインダーの出っ張り具合が一目瞭然

上面から見るとファインダーの出っ張り具合が一目瞭然

 さらに、その奥側にファインダーを擁しているため、ペンタ部全体の大きさがD3100と比較しても大きくなってしまっている。もっとも、そのおかげで従来型の一眼レフ然としたスタイルにはなっているのだが……。


α55における「オートプレビュー」の是非

撮影後に写真を表示する「オートプレビュー」。デフォルトは「切」になっている

撮影後に写真を表示する「オートプレビュー」。「切」および「2/5/10秒」で設定可能

 D3100の光学式ファインダーと比較して、α55のEVFは撮影情報がたくさん出る(電子水準器なども表示される)。このあたりは単純な光学ファインダーにはできない技である。

 ファインダー像の消失時間はオートプレビューを「ON」にするか「OFF」にするかで随分と変わってくる。“一眼レフ”のD3100では、ミラーを上下する時間だけで済むが、α55の場合、撮像センサーからのライブビュー画像を用いており、さらに撮影後のプレビューもEVFで行なえるようになっている。このため、オートプレビューをONにしておくと、設定時間分(2~10秒)はファインダー像の復帰に時間がかかってしまう。

 あくまでもプレビューは撮影後に再生ボタンを押して、背面液晶モニターで行なうようにすれば、通常の一眼レフ同様のレスポンスで撮影できる。このあたりはコンパクトデジカメに慣れているユーザーには違和感は感じないのかもしれない。しかし、フィルムカメラに慣れた筆者には、EVFでのオートプレビューは蛇足としか感じられなかった。

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