ソニーから、デジタル一眼レフカメラ「α」2機種が発表された。どちらも撮像素子と画像処理エンジンを刷新。また、電子ビューファインダー(EVF)に有機ELパネルを採用した「XGA OLED Tru-Finder」を採用したのが大きな特徴となる。
今回登場するのは「α77」と「α65」で、共に従来機「α55」の上位機種となる。どちらも半透過ミラーを採用する「トランスルーセントミラー・テクノロジー」を踏襲する。
防塵・防滴ボディの中級機「α77」
α77(10月中旬発売予定、ボディのみの予想実売価格は15万円前後)は中級機という位置づけで、幅142.6×奥行き80.9×高さ104mm、重量約653gというやや大柄なボディはマグネシウム合金製で、防塵・防滴処理が施されている。
有効約2430万画素の「“Exmor” APS HD CMOS」センサーを新たに採用。画像処理エンジン「BIONZ」も新しくなり、追従AFで12コマ/秒の高速連写が可能となっている(連続撮影優先AEモード)。APS-Cサイズのレンズ交換式カメラでは世界最速だという。
感度はISO 100~16000までの設定が可能で、拡張設定ではISO 50も選べる。さらに倍率色収差や歪曲収差といったレンズ収差や、周辺光量の自動補正機能も新たに搭載した。
ファインダーはEVF方式で、新たにXGA OLED Tru-Finderを採用。有機ELパネルにより、コントラストと応答性が向上するとともに、解像度も235.9万ドット相当と高精細化した。α55と比較すると、解像度(144万ドット相当)はもちろん、コントラストも約10倍向上している。
背面液晶が可変型なのはα55と一緒だが、従来の2軸から3軸となり、より自由なアングルで撮影できるようになった。さらに本体上部にも情報表示パネルを搭載した。
α55の測距点は15点 (3点クロス)だったが、α77は19点(11点クロス)となり、レリーズタイムも0.05秒という速さを実現。さらにプレビューは被写界深度、シャッタースピード、「Dレンジオプティマイザー」(階調補正機能)をも反映した表示が可能となった。
動画撮影では、新たに「AVCHD Progressive」に対応。1080 60pでの撮影が可能となったほか、映画フィルムと同じ24pでの撮影もできるようになった。さらにMF時にはP/A/S/Mの露出モードで撮影でき、ボケ味などを動画でも表現できるようになった。
写真に特殊効果を付与できる「ピクチャーエフェクト」も搭載。絵画風に仕上げる「絵画風HDR」やフォーカスを全体的に甘くする「ソフトフォーカス」、ソフトで明るい仕上がりになる「ソフトハイキー」、風景をミニチュアのように撮影する「ミニチュア」、メリハリの効いたモノクロ画像にする「リッチトーンモノクロ」が新たに加わり、全11種類の効果が利用できる。一部は動画にも適用できるようになった。
このほか、8人まで登録できる個人顔認識機能も新たに搭載した。