やや重いがバランスはいい感じ
カメラユニット自体の大きさは幅68.7×奥行き50.4×高さ57.8mmで、「RICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VC」(以下S10、実売価格6万円前後)カメラユニットよりも少し厚みがあり、重量も約210gと約50g弱ほど重い。
しかし、GXRのボディに装着してカメラを構えてもバランスは悪くない。レンズ口径は40.5mmとA12マクロと同等でレンズキャップの共用もできるが、今回から新しいデザインになり、指をかける部分が広くなったので付け外しは楽になった。
おそらく、この仕様変更はオプションであるレンズフード「LH-1」を装着したときでもフードの開口部から手を入れて外しやすいように考慮したためと思われる。
搭載された28mm相当のレンズはMF時用のピントリング先端に赤いラインが入っている。GR LENSの名を冠するだけあって画面中央から端まで光学収差を感じさせない。メニューの撮影設定には「ディストーション補正」の設定項目もあるがこの設定をONにしなければならない撮影シーンは極めて少ないのではないかと思う。
S10やP10カメラユニットと違い、手ブレ補正機能は搭載されていない。RICOH LENS搭載のカメラユニットと違って、センサーサイズが大きいのでセンサーシフト方式の手ブレ補正機能を搭載するのはユニット自体のスペースからも難しいのだろう。
光学式の手ブレ補正という手もあるだろうが、その場合、手ブレ補正用の光学系は本来レンズの画質設計上は必要ないので、そのような余計なものを搭載するのを嫌ったのかもしれない。広角レンズでは手ブレは出づらくなるので必要性の低いものはないほうがいいだろう。
最初のラインナップに欲しかったレンズユニット
※上の写真は試作機での撮影のため、縮小画像の掲載となります高感度撮影ではコンパクトデジカメなどと違い、APS-Cサイズのゆとりあるダイナミックレンジのおかげでノイズ感は少ない。細かいオートフォーカスのスピードや動作音などでこれからも細かなチューニングがされるものと思われるが、画質に関しては十分出荷できるレベルになっていると感じられた。
GXRの発売時、最初のラインナップになぜこの焦点距離に相当するカメラユニットがないのかと不思議に思っていたが、そんなユーザーの要望はわかっていながらもAPS-Cセンサーと50mmマクロを組み合わせたカメラユニットを新しいリコーの意気込みとして優先させて開発したと以前に開発陣にうかがったことがある。
今回のAPS-Cセンサーと28mmレンズを組み合わせたA12 28mmユニットはそういう意味ではリコーファンが首を長くして待っていたカメラユニットといえるので、開発陣の気合の入れ方も違ったものがあるだろう。1つのレンズに対して1つのセンサーがそれぞれの個体差まで含めて調整されているGXRのカメラユニット。そのなかでもリコーのアイデンティティーでもある28mmレンズを搭載したA12 28mmユニットが発売される10月29日が今から待ち遠しい。