本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説をあますことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。
UNIX使い向けをはじめ、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。
待望の「VLC Media Player」(VLC for iPad)がリリースされました! 本格的なテストはこれからですが、MPEG-4とMotion-JPEGは○、WMV2は×でした。これで、空耳アワーライブラリーを楽しめるようになればいいのですが……。
さて、今回は「S.M.A.R.T.」について。HDDに内蔵された自己診断機能に基づくデータを参照し、クラッシュによる被害を回避することが目的だ。これを機に、HDDの健康管理に注意してみてはいかがだろうか?
いつか、HDDがクラッシュする日
HDDがクラッシュするとどうなるか。これだけは、経験した人でなければわかるまい。経験がある筆者だからこそ、クラッシュの恐ろしさを、その対策の大切さを、事あるごとに伝えなければならないのだ。
その恐ろしさのひとつは「喪失」。筆者の古い友人に、家が全焼した経験を持つ人物がいるのだが、彼いわく「家族との思い出の写真が全部燃えたんだよ、それがかなりこたえる」と。写真にせよ動画にせよ、現在の我々はコンピュータに思い出を記録することに躊躇しなくなった。それが突然回復不能となれば消失どころではない、火災にあうがごとき精神的ダメージを伴う「喪失」だ。
経済的なダメージ、「損失」もある。筆者の場合、HDDのクラッシュで脱稿間近だった単行本用の原稿が吹き飛んだ。執筆にかけた約1ヵ月の労力と、懐に入る予定だったウン百万円(激しく期待値込み)がむなしく消えた。
金銭面では二次的なダメージもある。HDDのデータをいくらかでも回復できないかと、復旧ソフトをいくつか試したり、データサルベージ業者に依頼したりすれば、最低でも数万円、場合によっては数十万以上の費用が発生する。回復困難な物理破損であっても、前述した喪失と損失を考えれば、サルベージに一縷の望みを託してしまうのもムリはない。これは「過失」だ。
そんなこと先刻承知、というなかれ。超がつくほどの精密機器であるHDDは、ひとたび物理障害が発生すると回復は著しく困難で、ホコリ舞う部屋で開腹手術でもしようものなら永久にデータが失われる。サルベージ業者へ依頼しようにも、ディスク容量が作業費算出のひとつの根拠とされることから、HDDの大容量化が進行した現在では一声ウン十万円の世界だ。弱みにつけ込む悪質な業者も少なくない。
この困難を回避する最善の策は「こまめなバックアップ」で、Time MachineというOS標準装備の便利機能を利用すればいいが、バックアップの間隔を長めに設定していると、突然のHDDクラッシュで数日分のデータが飛ぶという可能性は十分ある。やはり、HDDの健康状態を把握しておくべきなのだ。
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