「プレイステーション 3」で地デジ番組の録画を可能にする「torne」は予想どおり大ヒット商品となり、売り切れ店が続出する結果となった。
ポイントになったのは、PS3をHDDレコーダー代わりに使えるというだけでなく、従来のDVD/BDレコーダーにはない快適な操作性を実現した点だろう。特に60fpsというフレームレートを活かしたテレビ番組表の操作性の高さはピカイチで、滑らかなスクロールに感動したユーザーは多かったのではないだろうか。
そのtorneの発売から3ヵ月ちょっとが経過したが、早くもアップデートが実施された。さまざまな部分で改善が果たされているが、特に機能強化の目玉となっているのがH.264/MPEG-4 AVC録画への対応である。
従来のtorneが対応していたのは、MPEG2-TS形式で配信されるストリームをそのままHDDに記録する、いわゆるDR録画のみ。しかし今回、リアルタイムで圧縮しながら録画するH.264/MPEG-4 AVC録画に対応したことにより、同じ容量でも長時間の録画が可能になったわけだ。ちなみに、気になる圧縮率は3倍だ。
記事掲載当初、トランスコーダーなどを搭載しない、という記述がありましたが、これは誤りです。実際にはtorne内のトランスコーダーを通して圧縮しています。お詫びして訂正いたします(2010年7月5日)
また、これ以外にもさまざまな改善が施されているという。早速、新バージョンとなったtorneを試してみた。
3倍モードでもアニメがキレイに録画できる!
H.264/MPEG-4 AVC録画を利用するには、番組録画時に「録画モード」から「3倍モード(標準)」を選択する。なお従来どおり、ストリームをそのまま記録するDRモードも「DRモード(高画質)」として用意されている。
早速、いくつかの番組を3倍モードで記録してみたが、DRモードとの画質の違いはほとんど感じられない。よく見ると階調再現性などにおいて若干の差はあるが、ほとんど気にならないレベル。よほど画質にこだわって記録したいという番組でない限り、3倍モードで十分だろう。
なおtorneのTwitter公式アカウントである「tornev」において、torneの開発に携わった西沢学氏は、「ポイントって言えば、それは全部なんですけど(笑)。でも一番の目玉は、やっぱり3倍モードが追加されたことかな。圧縮の方法を工夫したり、映画とかスポーツとか、ジャンルに応じたアップコンバートやノイズリダクションをすることで、綺麗に録画&再生できるようになってます」と語っており、番組ジャンルに応じて圧縮時のパラメータを調整していることを明かしている。
また「もっとわかりやすく言うと、例えばアニメはどんな感じですか?」という問いかけに対し、「もちろん綺麗。特にアニメの画質調整は“けいおん!!”で調整してあるから、“けいおん!!”はめちゃめちゃ綺麗に見られるはずです」とも語っている。確かに圧縮が難しいアニメ映像においても、AVC録画による画質低下は自然画と同様にほとんど感じられなかった。これは大きなポイントではないだろうか。
なお、3倍モードで録画している最中でもゲームをプレイすることが可能。実際にゲームをプレイしながら録画してみたが、ゲームに何ら支障はなく、また録画も問題なく行なわれていた。

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