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Windows Serverで学ぶサーバOS入門 第22回

分散ファイルシステムを理解しよう

DFSでファイルサーバの弱点を克服

2010年06月29日 09時00分更新

文● 横山哲也/グローバルナレッジネットワーク株式会社

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前回は、ファイルサーバの基本機能を紹介した。しかし、Windows Serverのファイル共有機能はこれだけではない。今回は応用として、ファイル共有の仮想化を行なう機能「DFS(分散ファイルシステム)」について解説する

ファイル共有の欠点とDFSの強化

 広く使われているファイル共有だが、利用する環境が拡がってくると、次のような欠点が見えてきた。それは、

  1. 複数のファイルサーバがある場合に検索が面倒
  2. 遠隔地から低速回線経由でアクセスする場合に反応が遅い

という2点である。この問題を解決すべくWindowsに追加されていったのが「分散ファイルシステム(DFS:Distributed File System)」である(図1)。

図1●DFSの仕組み

 まずWindows NT 4.0では、検索の問題を解決するため、オプションとして「分散ファイルシステム」が追加された。分散ファイルシステムとは、1台のファイルサーバの特定の共有フォルダを「DFSルート」として構成し、ほかのファイルサーバの共有フォルダをDFSルートのサブフォルダとして構成する機能である。これにより、複数のファイルサーバを1つのフォルダツリーに統合できる。すべてのファイルサーバをDFSルートのサブフォルダとして構成することで、ユーザーはDFSルートの名前さえ覚えておけば階層をたどって目的の場所にたどり着くことができるようになった。

 続いてWindows 2000からは、DFSルートの指定にDFSサーバではなくドメイン名が使えるようになった。新しいDFSを「ドメインDFS」と呼ぶ。ただし、従来のDFSも互換性のために残されており、これを「スタンドアロンDFS」と呼ぶ。ドメインDFSが提供する機能は「サーバ名の仮想化」である。ユーザーは具体的なサーバ名を知らなくても、ドメイン名だけで共有にアクセスできる。

 また、ドメインDFSにフォールトトレラント機能が追加され、DFSルートやサブフォルダにその複製を保持するサーバを追加できるようになった。クライアントはActive Directoryのサイト情報を使うことで、最寄りのサーバを優先的に使用する。ただし優先的に使っているサーバが停止した場合は、ほかのサーバに自動的に接続を切り替える。「サーバ位置の仮想化」と呼んでもよいだろう。

低速回線への対応

 ところが、Windows 2000のDFSにも欠点があった。低速回線での複製に時間がかかったり失敗することがあるのだ。Windows 2000のDFSはファイルの複製に「FRS(ファイル複製サービス)」を使う。FRSは、Windows Server 2003以前のActive Directoryでグループポリシーファイルを複製するためにも使われている機能だが、ファイル単位で複製を行なうため巨大なファイルの転送は不得手というわけだ。

 そこでWindows Server 2003 R2では、この問題を解決するためにDFSを全面的に見直した。そして、フォルダの仮想的な階層を実現していた従来のDFSを「DFS名前空間(DFS-N)」として再実装した(図1-①)。DFS-Nを保持するサーバを「名前空間サーバ」と呼ぶ。また、ファイル複製の機能はFRSに全面的に頼っていたが、これを「DFSレプリケーション(DFS-R)」として再設計した(図1-③)。Windows Server 2003 R2以降のDFSとは、このDFS-NとDFS-Rの総称である。

 Windows 2000の管理ツールでは「分散ファイルシステム」、Windows Server 2003 R2以降は「DFS」と呼ぶが、正式名称と略称の違いだけで実際の名前は変わっていない。クライアントからのアクセスも同じSMBを使う。

 しかし、両DFSの内部的な動作はまったく違うので注意してほしい。本連載では今後、「DFS」はWindows Server 2003 R2以降の新しいDFSのみを指すこととする

(次ページ、「分散ファイルシステムの構成」に続く)


 

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