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Windows Serverで学ぶサーバOS入門 第22回

分散ファイルシステムを理解しよう

DFSでファイルサーバの弱点を克服

2010年06月29日 09時00分更新

文● 横山哲也/グローバルナレッジネットワーク株式会社

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分散ファイルシステムの構成

 ファイルサーバなどでDFSを利用するには、

  1. DFS役割サービスの追加
  2. DFS名前空間の構成
  3. DFSレプリケーションの構成

というステップで操作する。もっとも、DFS名前空間の構成と、DFSレプリケーションの構成は連続して行なえるため、ユーザーはあまり意識する必要はない。では、順番に手順を紹介していこう。

DFS役割サービスの追加

 DFSは、サーバーマネージャで「ファイルサービス」を追加するときにオプションとして指定できる。もし追加していない場合は、以下のように「ファイルサービス」の役割サービスとして追加する。

(1)DFS追加用のウィザードの起動

 サーバーマネージャの「ファイルサービス」を右クリックし、「役割サービスの追加」を選択。続いて示されるウィザードで「分散ファイルシステム」を選ぶ(画面1)。念のためDFS名前空間とDFSレプリケーションの両方が選択されることを確認する。いずれか一方だけを使用する構成は一般的ではない

画面1●役割サービスの選択で、「分散ファイルシステム」選択する

(2)DFS名前空間の名前

 この名前はDFSルートの共有として使用される(画面2)。ここでは「FSROOT」と指定した。2台目以降のDFSサーバで既存のDFSルートを使用する場合や、あとからDFSルートを作成する場合は、「サーバーマネージャのDFS管理スナップインを使用して後で名前空間を作成する」を選ぶ。ServerManagerCMDコマンドを使って役割サービスを追加した場合も、あとで名前空間を作成する

画面2●DFS名前空間の名前を指定

(3)ドメインDFSかスタンドアロンDFSかを選択

 Active Directory環境が構成されている場合は、ドメインDFSのほうが高機能なので便利だ(画面3)

画面3●名前空間の種類を選択。「ドメインベースの名前空間」を選べば、ドメインDFSとなる

(4)DFSルートのターゲットを確認

 続いて、追加のDFSルートサーバを指定する(画面4)。ただしあとから指定することもできるので、今回はここでは指定しない。ウィザードを進め、「インストールオプションの確認」で「インストール」をクリックすると完了だ

画面4●DFSルートサーバの指定。今回はここではなく、後から指定する

 これでDFS役割サービスの追加とDFSルートが構成できた。DFSルートを構成したサーバのCドライブには、DFSROOTSフォルダが作成され、そのサブフォルダとしてDFSルートフォルダ(ここではFSROOT)が作成される。DFSルートフォルダはDFSが内部で使うために共有されるが、この共有を直接利用することはない。

(次ページ、「DFS名前空間の構成」に続く)


 

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