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Windows Serverで学ぶサーバOS入門 第17回

2台目を追加して万が一に備えよう

ドメインコントローラを冗長構成にする方法とは?

2010年05月25日 09時00分更新

文● 横山哲也/グローバルナレッジネットワーク株式会社

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7.動的なIPアドレスの警告
 ドメインコントローラになるには静的なIPアドレスは必須ではない。しかし、ドメインコントローラではDNSサーバも動かすのが一般的であり、DNSサーバとするには静的なアドレスが必要となる。今回はIPv4のアドレスは静的に割り当てているが、IPv6のアドレスを割り当てていないのでこの警告が出る。ここではIPv6を使わないので無視してかまわない

8.DNS親ゾーンの構成
 DNS親ゾーン(上位のドメイン)を検索して、可能なら親ゾーンに子ゾーンの情報を追加する(画面6)。ただし、この機能は、親ゾーンのDNSサーバがWindows Serverの場合にのみ可能となる

画面6●既存のDNSサーバへの情報登録

9.複製方法の指定
 ディレクトリデータベースの構築を、既存のドメインコントローラからネットワークのみを使って構成するか、ファイルとネットワークの両方を使って構成するかを選択(画面7)。通常はネットワークのみを使用する。詳細は次号で解説する

画面7●既存の情報のコピー方法。通常はネットワーク経由

10.ディレクトリデータベースの複製元の指定
 どのドメインコントローラからディレクトリデータベースを複製するかを指定する(画面8)。通常は「該当するドメインコントローラをウィザードで自動選択する」を選択する

画面8●元となるドメインコントローラを指定

11.各種ファイルを格納するフォルダを指定
 ディレクトリデータベース、ログ、およびグループポリシーテンプレートなどを配置するフォルダを指定する(画面9)。通常は既定値でかまわない

画面9●情報を保存するフォルダの指定

12.ディレクトリサービス復元モードのパスワード
 ディレクトリサービス復元モードで起動した場合のAdministratorパスワードを指定する

13.設定の確認
 「設定のエクスポート」をクリックすると、ここまでの指定をファイルとして保存できる。このファイルは、後述する無人インストールの「応答ファイル」として使える

14.インストールの開始
 ドメインコントローラへの昇格が完了したら、ダイアログボックスを閉じ、指示に従って再起動する。Windows Server 2008からは、昇格中のダイアログボックスに、自動再起動行なうオプションができた(画面10)。再起動のタイミングを気にしなくてよいのであれば、このチェックボックスを使うと便利だ

画面10●追加ドメインコントローラのインストール

 以上で作業は完了だ。なお、ここで追加したドメインコントローラは、TCP/IPの設定で既存ドメインのDNSサーバを参照するように指定する必要がある。2台目のドメインコントローラは、1台目のドメインコントローラを発見するためにDNS情報を使うからだ。

インストールが終わったら

 エラーもなく、ドメインコントローラが無事追加されたら必ず再起動し、管理者(Administratorsグループのメンバー)としてログオンする。ドメインコントローラのログオンに使えるユーザーアカウントはドメインに登録されたものだけだ。1台目のドメインコントローラには、ドメインコントローラ昇格前のユーザーアカウントが引き継がれるが、2台目以降のドメインコントローラからは、昇格前のユーザー登録情報はすべて削除される

 なお、ドメインコントローラをインストールし、再起動した段階ですべての作業が完了しているわけではない。いくつかの作業は再起動してしばらく時間が経たないと完了しない。短くても数分、長ければ数十分はかかるので注意してほしい。

(次ページ、「ドメインの無人インストール」に続く)


 

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