これまでグフっぽい何か、ジムっぽい何か、百式っぽい何かと3台のPCケースを作ってきたが、GIGABYTEの正規代理店リンクスインターナショナルさんに提供していただいたPCケースがまだ残ってる。そのケースとは、コレだ。
このケースは、角が丸くなっていてガ●ダムっぽい何かを作るのには不向き。しかし無謀にもコイツを使いトゲトゲに角張った百式を作ったが大失敗。しかもイ●プレスのPC H●tlineには、TSUKUMO eX.に展示する前にスッパ抜かれて、“失敗作”ってのを説明したポップをつける前に記事にされちまった。
しかし角が丸いこのケースを見てフト思った!
コイツ……、面構えが電車に似てるんじゃネ?
ということでPC改造企画の最終回は、鉄道ファンに贈る鉄道車両型PC筐体だ!
実際の電車より縦長な筐体ってのが問題だ!
PCの筐体を見れば分かる通り、ミニタワーケースだとしても実際の鉄道車両よりかなり縦に長い。このアスペクト(縦横)比の車両なんてのは、路面電車ぐらいだろう。いや! ここまで馬ヅラなフロントマスクだと、名鉄の路面電車ぐらいしかない!
でも、Bトレインショーティーやプラレールは、ソレっぽく見える車両になっている。そうだ! 特徴さえうまく再現してやれば、ソレっぽく見えるはず!(失敗する可能性もかなり大だ)ということで、実際の比率より縦長にして、屋根上ユニットのクーラーやベンチレータ(換気口)で誤魔化してみることにした。それでも足らなかったら、黒く塗ってしまえ!(笑)
モチーフは、カンタンそうなキハ40やらキハ58を考えていたが、あまりにもマイナー過ぎるかと思い、昭和の名車両の代表「583系昼夜兼用 交直両用(しかも50Hz/60Hz対応) 電車型特急」にした。え? それでもマイナーっすか?
でもこの電車は、北海道と沖縄を除く全国の在来線を疾走していた(架線があれば走れない線路はない)ので、子供の頃に見た覚えもあるんじゃないだろうか? 鉄道ファンの読者なら「知ってるもナニも、パンタ下中段をいつも指定してたぜ!」という超メージャー車両だ。っつーか、ノスタルジック過ぎて若い鉄道ファンは、ぽか~ん?
役に立たない鉄道マメ知識:パンタ下中段
583系は、在来線を走れる車両の大きさ目一杯まで使った3段式寝台車。屋根にパンタグラフを載せるため、屋根の一部を低くして取り付けていたほど。その結果、パンタグラフ下の寝台は3段式にできず、2段式寝台になっていたのだ。しかし3段目の寝台の高さが70~80cmに対して、パンタグラフを取り付けるための屋根下げ幅がさほどなかったため、2段目の寝台の高さが通常よりメッチャ高くなっていたの。その空間は、A寝台クラスの広さ。ということで、B寝台の料金でA寝台クラスの空間を独占できるとあって、マニアはみどりの窓口で「何号車何番の中段」と指定して切符を買っていた!
とはいえ583系のファンは多い。写真をお借りした鉄道写真館 宿命には、いろんなアングルから撮影した583系が掲載されている。もちろん583系だけでなく、車両も多数あり、写真も大きいので、デザインするときの強い味方になるだろう。なにより、どの写真もカッコイイので、壁紙にしたくなること必至だ!
これらの写真を元に、デザインしてみたのが次の設計図だ。
筐体目一杯にデザインすると、かなり馬ズラになっちゃうことが判明。フロントの貫通扉(分割併合運転時に列車同士を連結、車両を行き来できるようにするドア)がエラく縦長になってしまう。そこで、5インチベイ1つぶんの高さを低くして、再度デザインしなおしてみたのがコレだ。
まーそれでも馬ヅラには違いないが、許せる範囲ということでデザインはコイツに決定! 5インチベイ1つぶん下げたところには、AU15型冷房ユニット(旧国鉄特急車両ではメジャーな冷房ね)とベンチレータ、アンテナと特徴の1つにもなっている屋根上のヘッドライトで隙間を埋めてみた。
面倒じゃなければ、台車や床下機器なども描いて車両全体をもう少し上に描いてもいいだろう。ちなみに台車は超メジャーなDT32系なので、資料はそこらへんに落ちてるハズ。資料不足に困ることはない。
「ミニタワーのアスペクト比が合わないならベアボーンのキューブタイプを使えばいいじゃん!」と思うかもしれないが、キューブは高さが足りなくてコレもベストじゃない。GIGABYTEやリンクスインターナショナルに頼み込んで、電車のスケールに合う筐体を出してもらえないかをASCII.jpから提案してみよう! おそらく門前払いだと思うけど……。
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