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禁書目録PCケースの制作現場に密着、ついに発売日決定!

2010年11月11日 23時00分更新

文● 藤山 哲人

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 「とある魔術の禁書目録」の痛PCケースがリンクスインターナショナルから発売されることになったのはご存じのとおり。そのドキュメンタリーを綴るべく同社に取材に来ているのに、採用するイラストにダメ出しするわ、より痛くするためにシールを増やすわ、すっかりディレクションしちゃっていたASCII.jp編集部(関連記事)。

イラストの選定で熱い議論を交わすリンクスインターナショナル

量産前のプロトタイプが完成。果たしてこれが量産機で再現可能なのか?

 前回のレポートでは、試作機の完成までをお届けしたが、リンクスインターナショナルに聞けば、シールの製造と貼り込み作業は国内の職人さんがやっているという。しかも場所は、東京の浅草と。
 てっきり中国の女工さんたちが手張りしているのかと思ってたが、えらいご近所で作ってるジャン! ということで、生産現場を突撃取材することにした。

単純に印刷するだけじゃなく
表面コートもしている凄いシールだった!

 やってきたのは浅草駅から歩くこと10分ほど、建設中のスカイツリーがよく見える「きりもじやポップボックス」さんだ。事務所というか工房に入ってまず目に飛び込んでくるのは、ローランドの業務用大判インクジェットプリンタと巨大な作業台。

奥に見えるのが業務用大型インクジェットプリンタ。手前はカッティングマシンだ

全面がカッター台になった作業台。ここで1台1台手作りされているらしい

 まずはこのプリンタで絵柄を打ち出す。「なんだよ、このプリンタさえあれば俺たちにも作れるじゃん!」なのだが、本体価格は3,097,500円。えっ!300万円オーバー! 痛車を何十台か作れば元が取れるかもしれないが、ちょっと個人には手が出ない代物だ。しかも、インクジェットプリンタを使ってる人ならご存じのとおり、インクもハイブローな価格。もちろんシールを印刷するシートも安いわけがないのだ。
 解像度は1440dpiとそこらへんのインクジェットプリンタとさほど変わらないが、インクの粒子の大きさを調整するバリアブルドット機能を備えていたり、発色をよくするために水性インクを使っていたりとかで、高精細&超キレイな仕上がり。しかも耐久性は3~5年とパーソナルユースには真似できないシールに仕上がるのだ。

印刷のようなドットはまったく見えず、まるでセルをペイントしたかのような仕上がり!

2枚まとめて印刷していたが、40×80cm程度のシートを3~4分で打ち出し完了

 パーソナルユースのインクジェットプリンタなら、顔料や染料インクをシール用紙に印刷すれば即シールの完成だが、工房では水性インクを使っているため、これを保護するためにラミネート加工を行なう。

絵柄側には保護用のラミネート、裏側には粘着テープ加工されているラミネートをセット

この間に印刷したものを挟み込むことで、耐久性に優れたシールの完成となる。シールの厚みは、ラミネート加工も合わせて0.2~0.3mmだ

 次はサイドパネルにシールを貼る工程だ。いわゆる水張りだが、スプレーボトルの中は企業秘密だとか。とはいえ、見るからに台所用洗剤を水で薄めた、いつものヤツのようだ。
 職人の技を見せ付けられたのは、1mmの狂いもなく一発でステッカーを定位置に貼る技だ。ステッカーの大きさはサイドパネルより1mmほど小さくなっているので、左右にできるスキは0.5mm。

位置決めしたあとでステッカーの台紙を少しはがし、スタートポイントを水張り

ゴムベラで水を追い出し、パネルに密着させる

 まずはシールの片側5分の1ほどを台紙からはがし水張りして、スタートの位置決めをする。あとは台紙をはがしつつ、全体に水を張る。

スプレーの水を吹きかけパネル全体になじませる

台紙を引っ張りつつ0.5mmの位置合わせをし、ゴムベラで水を押し出し接着していく

 その間わずか1分。で、仕上がったのがコイツだ。

スゲー!さすが職人技! なかなか一発でここまで正確に位置決めできないぜ!

寸分狂わぬ位置決めがスゲー! わずか1分でコレかよ!

 もちろん気泡が一切入っていないことは言うまでもない。「とある魔術の禁書目録」PCケースは、こうして1台1台手作りでかつ、キレイに作られているだ。
 ちなみに、サイドパネルと絵素材のデータを持ち込めば、個人でも1枚8000円前後で、貼り込み加工までやってくれるとのこと(要予約)。


【取材協力】
ポップボックス
住所:〒111-0032 東京都台東区浅草6-34-2
TEL:03-3872-9643
URL:http://www.popbox.co.jp

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