Corsair(コルセア)は1994年に創業された周辺機器メーカーで、現在は電源ユニットのほかにメモリー、SSD、PCケース、CPUクーラー、水冷システムなど多岐に渡る製品を取り扱っている。
電源ユニットはミドルレンジからハイエンドユーザー向けの製品がラインナップされている。電源以外ではメモリーが自作ユーザーに馴染みが深く、特にオーバークロックユーザー向けの高クロック動作メモリーはヘビーユーザーに高い評価を得ている。最近はSSDに力を入れているのも、競合メーカーにはない特徴だ。
特集のトリにふさわしいCorsairの電源ユニットに対する姿勢やこだわりポイントを、同社VP of Applications Engineeringを務めるJohn Beekley氏に伺った。
――PC向け電源に対する設計方針、こだわりを教えてください。
Corsair まず、ATXのような業界規格の条件をきちんと満たすことは当然ですが、それをさらに上回るよう心がけています。それ以外にもコストパフォーマンス、効率性、信頼性を重視しており、各要素すべてが高い水準にある電源ユニットを設計することが、ユーザーに満足していただける重要なポイントとして注力しています。
――他社にはない独自のセールスポイントをお聞かせください。
Corsair 私たちはどこの電源メーカーよりも、設計、検証、そしてテストに長い時間をかけていると確信しています。また、長い時間をかけてユーザーのニーズをピックアップしていきます。例えば、古くからシングルレールでの設計を行なってきたので、シンプルでバランスのよいシステムの構築が可能になりました。ユーザーにとっても、パフォーマンスや信頼性の面でプラスになっていると自負しております。
――定格出力はどのような基準で決めているのでしょうか?
Corsair 電源の定格出力はユーザーが実際に構成するシステムにマッチするよう設計します。そのためIntel、NVIDIA、そしてAMD/ATI等のCPUやGPUメーカーと密接な関係を維持し、考えられるシステム構成に必要な出力に対応できるように心がけています。
――安定性について独自の工夫があれば教えてください。
Corsair 弊社は継続的に新しい電力技術を探求し、新しいものを取り入れています。これを実現するため、高度な訓練と多くの経験を積んだエンジニアが、新製品の設計と検証を日々行なっています。検証方法に関しては厳しい規定を設けており、許容温度以上の厳しい環境下でも電源のスペックを保証するメーカーであると自負しています。
――80PLUS GOLD認定に代表されるような高効率化に関しての取り組みを教えてください。
Corsair 最新の電源技術の選択、磁気モデリングや変圧器設計の実施、サーバプラットフォームの活用などにおいて常に細心の注意を払っています。そして慎重にテストを行なって、すべての電源ユニットが80PLUS機関定格基準よりも高い効率で確実に動作することを保証しています。こうした理由もあり、80PLUS機関でGOLDと認定された電源ユニットをあえてSILVERで販売している製品もあります。
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