Tokyo Kawaii Magazine 1.0
作者:アスキー・メディアワークス
価格:115円
本日創刊! といえばいいんでしょうか? その言葉が適切かどうかはあれなのですが……本日! 弊社/アスキー・メディアワークスから、iPhoneで読む雑誌アプリ「Tokyo Kawaii Magazine」(TKM)がリリースされました(iTunes Storeで見る)。
おぉ! ってな感じですね、まずね。やっぱり僕ら、雑誌作ってなんぼですよ! iPhoneでも!(笑) そして海外ですよ! iPhoneでやる以上は! 「TKM」のコンテンツはほぼすべて英語で書かれています。型通りのことを言えば、海外の日本コンテンツファンに向けた雑誌アプリです。
Image from Amazon.co.jp |
別冊アスキー Google完全本 2010年 5/5号 [雑誌] |
と、僕が一人でもり上がってもあれなので、TKMについて、編集長を務めます福岡俊弘氏(週刊アスキー総編集長でもあります)に、メールでインタビューさせていただきました。ぜひ! チェックしてみてください。
しかし、タイミングいいですね、Google本(こちらも本日発売!)といい、この「TKM」のリリースといい……。週刊アスキーはさすがだなと思いました、同じ会社の人間ながら。
ちなみに、TKMには無料版も用意されていますので(概要はこちらでどうぞ)、まずは無料版からでもぜひ。さらにちなみに、個人的に好きな記事は箱根レポートです(笑)。「なぜ、箱根」というのは、今号のカバーを見ていただければわかりますよね?
1:なぜ「TOKYO」なのでしょうか?
福岡 海外から見た東京という町のエネルギッシュなイメージにあやかりたかったこともありますが、それよりなにより、このコンテンツ自身が東京で編集され、TOKYOから発信している。それが理由です。
2:なぜ「Kawaii」なのでしょう? Kawaiiの定義とあわせてお聞かせください。
福岡 この一年間、海外の、日本のポップカルチャー好きの若者たちを取材してわかったことは3つあります。「Kawaii」はもう世界共通語だということ(「知ってる?」と聞くだけ野暮)。Kawaiiという言葉には、日本へのリスペクトが含まれていること。そして、日本は「かわいい国」と見られていること、です。今回のコンテンツを表現する上で、だからKawaiiはもっともふさわしい言葉でした。
3:海外展開の可能性について着想されたきっかけを教えてください。
福岡 日本のアニメやマンガが海外でブームになっているとは聞いていました。昨年の夏、パリのJapan Expoを訪れた際、それが単なるブームではなく、彼らのライフスタイルの一部となっていることを知りましたが、それらは彼ら自身が日本にアプローチした結果で、日本人が直接彼らに発信しているものではなかったんですね。僕たち日本人の目線で、日本人の手で発信するメディアがあったっていいと思ったことがきっかけです。
4:今号のコンテンツで、日本人以外の方へのいち押しはどれですか?
福岡 エヴァンゲリオン特集の中の、聖地巡礼の記事です。箱根でぜひリアルワールドとエヴァ世界の2つの世界のパラレルに楽しんでほしいです。
5:今号のコンテンツで、日本人へのいち押しはどれですか?
福岡 お弁当箱のページです。今、海外から日本を訪れた外国人の女の子が買って帰るナンバーワンのお土産は、日本のお弁当箱です。僕たち日本人の素晴らしいセンスの一端を知って下さい。
6:個人的に箱根取材の記事がおもしろかったのですが、旅企画の連載は続きますか? ARエヴァ、見に行きます?
福岡 2号目はありませんが、そのあと神戸と京都に巡礼に行きます。何の聖地かもうわかりますよね。あとARは聞くだけ野暮です。行かないわけないし。
7:ビューアーとしても、ボイジャーなどからこれまでリリースされてきたものと比較して(個人的な印象ですが)見やすくて、操作もわかりやすかったです。実際、御自身でアプリを触られて、仕様面はどう感じられましたか?
福岡 画像中心なのでボイジャーさんのものとは単純に比較はできませんが、こうしたコンテンツ向けには最適化できたんじゃないかと思いす。
8:開発スタッフの方々について教えてください。
福岡 ユビキタスエンターテインメントと共同でビューアーの開発を行ないました。
9:Twitter連携は、当初から予定されていたものですか?
福岡 開発の打ち合わせは、昨年の6月ころにスタートしました。9月末くらいにTwitterが日本でも流行り始めたので仕様に追加しました。が、まさか創刊時から実装されるとは思っていなかったです(笑)。
10:iPad版は企画されていますか?
福岡 作ってます!たいへーん(泣)。
11:今後、盛り込まれる予定の仕様がございましたら、お聞かせください。
福岡 マンガ専用のビューアー、写真をVR的に操作できる機能、「BuyNow」ボタンで紹介したアイテムを買えるようにしたい、とか。あと、テキストの読み上げ機能かなぁ。
12:動画についてはどのようにお考えですか?
福岡 iPadのこともありますし、増やしていきます。オリジナルの動画も追加予定です。
13:読者投稿企画の予定はありますか?
福岡 海外のコスプレーヤーさんの投稿を募集しようと思ってます。
14:第2号のリリース時期、企画等、お聞かせいただける範囲でけっこうです。今後の展開予定をお聞かせください。
福岡 4月中に2号目を必ず出します!(キリッ)。2号目の特集は、Tokyo JKです。そう、倉西さんが大好きな、女子高生の特集です。エロくないです。カワイイです!
15:TKMに限らずの質問です。アプリマガジンは、雑誌メディアの現状を半否定する生き残り策でしょうか? 現状と連続する新しい形でしょうか? それともまったく別なものでしょうか?
福岡 コンテンツには、そのコンテンツにふさわしい着物、つまりメディアが必要だと思ってます。今回のこのコンテンツのディストリビューションを考えたとき、App Storeでの電子雑誌という形での販売が最適であると考えました。紙とかウェブとか、メディアの形状は、その都度選べはいいことで、メディアの側からコンテンツを考える時代は終わったんじゃないかなあ。コンテンツがメディアを選ぶ時代なんじゃないかと……。
16:最後に。読者のみなさんにメッセージをお願いいたします。
福岡 安いので一度は買ってみて下さい。英文のみのコンテンツですが、英語の勉強だと思って……って、無理ですかねえ。でも、これでもって、日本のことが大好きな若者をひとりでも多く増やしたいと思ってます。どうか応援よろしくお願いします。来月にはフランス語版、夏までにスペイン語版、年内に中国語版も出します!
筆者紹介──倉西誠一
石川県金沢市出身の元・電撃PlayStation編集長。著書は「モンスターハンター」シリーズのプレイログである「狩られ道」「狩られ道豪黒毛」(いずれもアスキー・メディアワークス)だが、最近はすっかりiPhoneゲーマー。Twitterアカウントはkararemichi。