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2人のデベロッパーに聞く、iPhoneゲーム開発のホンネ

2010年04月12日 12時00分更新

文● 倉西誠一

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 以下の文章は、「電撃ゲームス」のiPhone連載用にお願いしたスタジオルーペさんとRucKyGAMESさんへのメールインタビュー全文です。

 誌面では十問十答で、実は二問カットさせていただいてました。こちらが完全版になります。ユニークなiPhoneアプリを作ってきたデベロッパーさんとして有名なお二方が何を語ったのか。ぜひ! チェックしてください。

この文章は電撃ゲームス 3月19日発売号に掲載されたものです。



スタジオルーペさんへの十二問十二答

1.御自分のブランドについて、一言キャッチフレーズをお願いします。

 ゾンビを超えたしぶとさ! スタジオルーペ!


2.お好きなiPhoneアプリは何ですか? タイトルと理由を教えてください。

 「Jet Car Stunts」(作者:True Axis、価格:230円、iTunes Storeで見る)。ゲームらしいゲーム! 最初は難しいけどやっているうち自分で自分の上達ぶりを実感できるゲーム。そのへんのバランスが実に上手くできている。世界観もゲームならではの「オモチャ」のような感じがいいです。操作に慣れる前に投げ出さなければ、間違いなく楽しめるはずです。

 しかし3Dアクションゲームはどちらかゲーマー向けなので、ライトゲーマーには「ポケットベガス」(作者:AppBank、価格:無料、iTunes Storeで見る)をオススメします。ソリティアなど、多くの人がすでに知っている一般的なゲームがどんどん無料で追加されていくという夢のようなゲーム。いち押しです!

Jet Car Stunts



ポケットベガス




3.コンシューマゲームは遊びますか?

 昔はよく遊びました。今はゲーム機はWiiしか持っていませんが、実際、あまり使っていません。最初に触れたゲーム機はファミコンです。次にスーファミ、プレステ、64、プレステ2、ゲームキューブ、Wii、といった流れで、ひと通り時代と共にゲームの変化を見てきましたが、個人的にはゲームキューブがゲーム機でゲームを楽しめたピークでした。

 大好きなゲームは「ピクミン」。やはりゲームは時間制限がある方が面白いと思うので、逆に「2」はまったく面白くなかったです。「1」の多少シビアな設定で、一度目ではなかなかクリアできないくらいがゲームの面白さを引き出しています。

 プレステ2のあたりから「誰でもクリアできるゲーム」が主流になりはじめてから、ゲームが全般的につまらなく感じはじめたので、このゲームはファミコン時代の何度もチャレンジしてクリアするという楽しさを思い出させてくれ、ゲームの本質を再確認させてくれた最高のゲームです。Wiiにも移植されているので、やったことのない人には絶対オススメ!


4.初めてプログラムを組んだのはいつですか?

 実はiPhoneでアプリを作るために初めてプログラムを覚えました。なのでむしろiPhone以外は分かりません(笑)。2008年の11月にiPod touchに初めて触れて、新しい可能性を感じたと同時に、自分でも作ってみたいという衝動が走りました。

 プログラムに関して無知だったことが逆によかったのか、吸収するのは早かったかもしれません。ネットのチュートリアル的なものをいくつか見ながら作って、その後はいきなり1作目のアプリに手を付けてトライ&エラーの繰り返しで、なんとか最初のアプリを2009年の1月末にリリースすることができました。

 実は最初から最終目標はゲームを作ることだったのですが、いきなりゲームを作り出すのはハードルが高過ぎたため、半年ほど中身重視の教育系のアプリを作り、徐々にゲーム感覚に近いものへとハードルを高くしていきました。お金(米ドル)の使い方を覚えるための「ドル$トレ」(価格:350円、iTunes Storeで見る)、を作り終えたあたりから、そろそろゲームが作れそうと感じ、最初のゲーム「ONI BASEBALL」(価格:無料、iTunes Storeで見る)を出しています。それ以来はゲームばかりですね。

ONI BASEBALL

ONI BASEBALL


5.アプリのアイデアは、どういったときに思い付きますか?

 必死でアイデアを練ろうとすることはよくあります。でも実際に「コレだ!」と思うものは、大体何かまったく別のことをやっているときが多いかもしれません。辛いことや嫌なことをしているときほど、ひらめきが多いです。

 これはアプリのアイデアに限った話ではないのですが、人は辛い状況になるほど、その状況をラクにしたいと上手いことを思いついたりするものですよね? なので嫌なことも、辛いことも、不安で分からないこともどんどん進んでやるのが「閃きの法則」なのかもしれないと、最近は思います。


6.iPhoneアプリを開発してきて、よかったと思うことはありますか?

 一番嬉しかったのは、アメリカからきた一つのファンメール。「自分が『iQ mirror』(関連記事iTunes Storeで見る)をやっているのを見て、ゲームにもiPhoneにも興味がなかった彼女が初めてやりたがり、しまいには自分専用のiPhoneを購入するまでハマってしまった」という内容でした。

 自分が作ったアプリが切っ掛けで、一人の人間にiPhoneを購入させてしまったなんて、責任も感じますが、本当に嬉しかったです。iPhoneアプリでまったく儲からない1年以上の期間、ひたすら耐えて作り続けてきて良かったと思えた瞬間でした。

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