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iPhoneで考えた「長く遊べるゲームの条件とは?」

2010年04月13日 16時00分更新

文● 倉西誠一

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 スタジオルーペさんのタイトルをプレイするきっかけは、AppBankさんの記事とTwitterでした。

 「COLOR PAIRS」(価格:230円、iTunes Storeで見る)の紹介記事を読んで興味を持った……ちょうどそれと同じようなタイミングで、スタジオルーペさんのTwitterアカウントも発見して、早速フォローさせていただきました。今でもそうですが、iPhoneゲームの情報には常に飢えてますから。「あ、開発者の方だ!」と思って、大喜びでフォローさせていただいたのを覚えています。

 以降、スタジオルーペさんのゲームは、すべて配信日にダウンロードしています。

COLOR PAIRS。画面上にある見本と同じ色の組み合わせをなぞるゲームだ


根底に流れる、スタジオルーペのアイデア

 スタジオルーペさんの特徴は、お題と、制限時間と、挑みです。作られるゲームは常に、制限時間内に何かをどれだけできるかに挑むものになっています。

 COLOR PAIRSは、制限時間内にお題と同じタイルの並びをいくつ見つけられるかに、「シンクロ・フィンガーズ」(価格:230円、iTunes Storeで見る)は制限時間内に何回お題と同じ方向に2つの十字キーを入力できるかに挑みます。最新作の「SUSOKU」(価格:230円、iTunes Storeで見る)も、やはり制限時間内に和がお題の数字となる2つの数字の並びをいくつ見つけられるかに挑戦します。

画面に表示される2つの十字キーを、指定された方向にタップするという「シンクロ・フィンガーズ」

SUSOKU。足してお題と同じ数字になるように、縦横に2マスなぞるというゲームです

 この、何というんでしょう、人間がいろんなことを経験していくうえで基礎的な部分を作っていく構成要素を複数押さえている以上、スタジオルーペさんのアイデアは尽きることがないのではないかと思います。

 基礎的でありながら深いところに着目し、それを追求するゲームデザインのセンスには、おだてるわけではなく、少し驚いています。だからこそ、誰にでもプレイできる、完成されたゲームが出てくるのだとも思いますね。

 ビジネスのことや業界の事情を一切考慮せずに書かせいただければ、今、これだけの個性を、一般性の高い題材を使って発揮できる若手クリエイターが、コンシューマーの世界にいるでしょうか? もちろん、きっといてくれると信じていますが、そのクリエイターがユーザーと出会うまでには、まだまだ時間がかかってしまうでしょう。


鼻に付かず長く遊べるデザイン

 また、僕はスタジオルーペさんのグラフィックにも注目しています。さすがアップル発のデバイスだと言いますか、iPhoneアプリにはおしゃれなデザインを持つものも多いです。ただ、それらの多くからは、ユーザーを突き放しているような印象を受けます。高級ブランドショップなんかにありがちな、おしゃれならいいのか? という感じですね。

 その点、スタジオルーペさんのグラフィックは親しみやすいものです。「センスあるな」と感じさせながら、鼻に付かない。ゲームは何度もくり返し、長い時間遊ぶものですから、あまりにハイセンス過ぎると、とても続けられません。スタジオルーペさんのタイトルでは、そのあたりのバランスはうまくとれていると思います。

 僕はどれもけっこう好きなのですが、中でもCOLOR PAIRSとSUSOKUは、ぜひ、そういう視点で見直してみてください。多分……ですが、グラフィックのデザインもスタジオルーペさんが御自身でされているのではないかと思うのですが、どうでしょう?

 最後に。スタジオルーペさんのタイトルからなにか1本選ぶとしたら……と、書きかけてからタバコを吸いに喫煙所に行ってしまうくらい悩みましたが、僕はCOLOR PAIRS PROを挙げさせていただきます。

 初めてプレイしたものだということもあるのですが、やっぱり楽しい。それに、ふとした瞬間にプレイすると、自己新記録が出たりすることが多いのもポイントです(笑)。

 もしまだプレイされていないという方がいらっしゃったら、チェックしてみてください。そして、できるだけ長く、(削除せずに)御自分のiPhoneに入れておいてください。楽しいですから! 本当に。


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