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ハイエンドはついに6コアの時代! Core i7-980X発表

2010年03月17日 15時25分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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Core i7-980X Extreme Edition

Core i7-980X Extreme Edition

 インテルは17日に開催した記者説明会の席上で、6つのCPUコアを内蔵したエクストリーム・デスクトップ市場向けのCPU「Intel Core i7-980Xプロセッサー Extreme Edition」を発表した。

 Core i7-980Xは、同日に発表された「Xeon 5600番台」と同じく、32nmプロセスで製造される「Westmere」コアのCPUである。従来のCore i7-900番台と同様に、LGA1366と呼ばれるパッケージで、プラットフォームも同じくIntel X58 Expressチップセットベースのシステムとなっている。トランジスター数は約11億7000万個。GPUは内蔵しない。

Core i7-980Xの主な仕様

Core i7-980Xの主な仕様

Core i7-980Xのダイ写真

Core i7-980Xのダイ写真

 内蔵CPUコアは6コアで、ハイパー・スレッディング・テクノロジーに対応するため、論理CPU数は12個となる。各コア共有の3次キャッシュメモリーは12MBを内蔵する。メモリーチャンネルは3チャンネルで、各チャンネルに2枚のDDR3-1066 DIMMを装着できる。CPUコアの動作クロックは3.33GHzだが、自動オーバークロック機能「ターボ・ブースト・テクノロジー」により、最大3.60GHzで動作できる。またCPUのクロック倍率が固定されていないため、倍率変更によるオーバークロック動作も、保証外ながら容易に可能となっている。TDPは従来のCore i7-900番台と同じ130W。さらに、AES暗号化のアクセラレーションを行なう命令セット「AES-NI」にも対応している。

Core i7-980X搭載プラットフォームの概要

Core i7-980X搭載プラットフォームの概要。基本的に従来のX58搭載マザーボードでも、BIOSアップデート等で対応可能という

 ベースとなるアーキテクチャーや動作クロックは、既存のクアッドコアCPU Core i7-975(3.33GHz)と同じだが、コア数の多寡が性能に影響するアプリケーションでは、大きな性能向上が期待できる。説明会では高画質ビデオの複数同時エンコードや3D CGレンダリングのデモが披露されたが、Core i7-975と比べて40%前後の性能向上を示した。

会場で披露されたエンコード速度比較

会場で披露されたエンコード速度比較。左が980Xで、12個のCPUメーターが右下に見える

Core i7-975との性能比較の一例

Core i7-975との性能比較の一例。マルチコアに最適化されたソフトなら大きな効果があるとしている

 価格は9万760円(1000個受注時の1個あたりの価格)と、ハイエンドCPUの定番である10万円前後に設定されている。パーツショップ等の店頭では10万円をやや上回る程度の価格で登場しそうだ。

 本日の発表を受けて、BTO方式でハイエンドデスクトップパソコンを販売するベンダー各社は、CPUラインナップの最上位にCore i7-980Xを追加した製品を一斉に発表している。

説明会では、インテル代表取締役社長の吉田和正氏(左)と、同社技術本部長の及川芳雄氏が、それぞれ980Xをベースに自作したパソコンを披露。吉田氏のマシンは音楽制作などエンターテインメント志向に、及川氏のマシンはハイエンドなフルタワー筐体を使った性能追求志向のマシンとのこと

オーバークロックで軽々と4.3GHz台

及川氏のマシンは980Xのリテール品に付属の空冷ファンを使ったものだが、オーバークロックで軽々と4.3GHz台を叩き出した

Endeavor Pro7000

エプソンダイレクトの最上位モデル「Endeavor Pro7000」にも、Core i7-980Xがラインナップされた。980X搭載時の価格は26万1870円から。4月5日までのキャンペーン期間中は、25万6620円からとなる

Alienware Aurora ALX

デルのゲーマー向けブランド「Alienware」のタワー型パソコン「Aurora ALX」も980Xが選択CPUとしてラインナップ。Radeon HD 5870の2枚差しと組み合わせれば、現時点で最高速マシンとなる

インテルの「DX58SO」をはじめ、ASUSTeKの「Rampage II Extreme」など対応マザーボードも出展。といっても980Xに合わせた新製品ではなく、既存のX58マザーボードである

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