インテルは17日に開催した記者説明会の席上で、6つのCPUコアを内蔵したエクストリーム・デスクトップ市場向けのCPU「Intel Core i7-980Xプロセッサー Extreme Edition」を発表した。
Core i7-980Xは、同日に発表された「Xeon 5600番台」と同じく、32nmプロセスで製造される「Westmere」コアのCPUである。従来のCore i7-900番台と同様に、LGA1366と呼ばれるパッケージで、プラットフォームも同じくIntel X58 Expressチップセットベースのシステムとなっている。トランジスター数は約11億7000万個。GPUは内蔵しない。
内蔵CPUコアは6コアで、ハイパー・スレッディング・テクノロジーに対応するため、論理CPU数は12個となる。各コア共有の3次キャッシュメモリーは12MBを内蔵する。メモリーチャンネルは3チャンネルで、各チャンネルに2枚のDDR3-1066 DIMMを装着できる。CPUコアの動作クロックは3.33GHzだが、自動オーバークロック機能「ターボ・ブースト・テクノロジー」により、最大3.60GHzで動作できる。またCPUのクロック倍率が固定されていないため、倍率変更によるオーバークロック動作も、保証外ながら容易に可能となっている。TDPは従来のCore i7-900番台と同じ130W。さらに、AES暗号化のアクセラレーションを行なう命令セット「AES-NI」にも対応している。
ベースとなるアーキテクチャーや動作クロックは、既存のクアッドコアCPU Core i7-975(3.33GHz)と同じだが、コア数の多寡が性能に影響するアプリケーションでは、大きな性能向上が期待できる。説明会では高画質ビデオの複数同時エンコードや3D CGレンダリングのデモが披露されたが、Core i7-975と比べて40%前後の性能向上を示した。
価格は9万760円(1000個受注時の1個あたりの価格)と、ハイエンドCPUの定番である10万円前後に設定されている。パーツショップ等の店頭では10万円をやや上回る程度の価格で登場しそうだ。
本日の発表を受けて、BTO方式でハイエンドデスクトップパソコンを販売するベンダー各社は、CPUラインナップの最上位にCore i7-980Xを追加した製品を一斉に発表している。