Yahoo! JAPANでもGoogleでも、「金沢 せんべい」で調べると1位に表示されるのが創業80年のせんべい屋「今屋」だ。Webサイトを開設したのは2001年。はじめはお店の宣伝目的だったが、2004年からはネットショップを立ち上げ、順調に売り上げを伸ばしてきた。集客は検索エンジンとリスティング広告からが多く、「金沢 お土産」でも上位表示されるほか、金沢銘菓として知られる「柴舟」(生姜汁と糖蜜を合わせた引蜜を塗ったせんべい)や、柴舟に金箔を散らした今屋のオリジナル商品「泊のかおり」でも上位に表示される。
特別な検索エンジン対策(SEO)をしているわけではない。せんべい屋としては比較的早い時期にネットショップを始めたこと、「せんべい」というビッグワードではなく、「金沢 お土産」や「柴舟」のように、地域色の強いキーワードで集客しており、ライバルが比較的少ないのが成功の秘訣のようだ。
今屋の今 学社長によると、「実は以前、SEO業者に頼んで『せんべい』で上位表示されたこともあるんです。ところが、1ページ目に表示されるようになったとたん、ちっとも注文が来なくなって、SEOはやめました」という。「上位に表示されたら売り上げが減ったとSEO業者に言ったんですが、『そんなはずはない』と言われてしまって……。ネットショップは上位に表示されない方が売れるんでしょうか?」――いったい、今屋のネットショップに何が起きたのだろうか?