連携操作から省エネまで
独自機能が充実した「ビエラリンク」
前ページであっさりとVIERA&DIGAの組み合わせを紹介したが、他社のレコーダーと組み合わせてもいいのでは? と思った方もいるだろう。そこで、ビエラリンクによる薄型テレビとレコーダーの連携機能について紹介しよう。
ビエラリンクでは録画予約がテレビのリモコンと番組表でできる。テレビの番組表を見ていて録画したいと思ったとき、わざわざレコーダーの電源を入れて、リモコンをレコーダーのものに持ちかえる必要がない。
これは、テレビとレコーダーの連携機能の中でももっとも便利なもの。操作の感覚としてはほとんど録画機能付きテレビと変わらない。このほか、テレビで放送をしているとき、リモコンで録画ボタンを押すと自動的にレコーダーを起動させ、視聴中のチャンネルの番組を録画することまで可能。自動的に入力を切り替え、しかも録画開始した番組を一時停止するので、まるで放送自体が一時停止しているような感覚で使える「番組キープ」もできる。
もちろん、レコーダーで録画した番組の再生もテレビのリモコンで行なえるし、「HDMIリンク」機能のメニューにある「レコーダーを操作する」などの機能を選ぶだけで、電源オンやテレビの入力切り替えなどもすべて自動で行なってくれるのだ。
このほか、設定によりテレビの電源を入れるとレコーダーの電源もオンになったり、レコーダーにBDやDVDソフトをセットするだけで、自動的にテレビの入力が切り替わり、BD再生などが可能だ。
そして、ビエラリンクならではと言えるのが、テレビとレコーダーが連携して省エネを行なう機能である。「こまめにオフ」は、レコーダーで録画した番組の再生が終了した後、テレビ放送に切り換えると自動でレコーダーの電源をオフにしてくれるもの。使わない機器の電源を自動でオフにするので、いちいち操作しなくてもこまめに電気代を節約できるのだ。
さらに賢いのが「ECOスタンバイ」機能。HDMIリンク機能を使う場合、快適に使うためもあって、いわゆる高速起動を「オン」にすることが推奨となる。高速起動は最短で1秒程度でレコーダーが使えるようになるため、特に視聴中の番組をその場で録画するような場合に重宝する。
ただし、高速起動はいわばレコーダーが半ば起動しているような状態なので、待機時の消費電力は無視できない程度に大きい。「ブルーレイDIGA DMR-BW880」の場合、高速起動オフでは0.3~0.1W、高速起動オンだと4.2~4.1Wとなる。電気代の節約を考えるか、利便性をとるか、悩ましいところだ。
ところが、ECOスタンバイの場合は、テレビの電源をオンにすると、レコーダーの高速起動をオンにする。これで、録画や予約時は最短1秒の高速起動ができる。そして、テレビの電源をオフにすると、レコーダーは電源オフにしてさらに高速起動オフに切り換える。これならば、電気代の節約と利便性を両立できる。これは「ビエラリンク」だけの機能で、他社の「HDMIリンク」機能と比べて一歩進んでいる。この充実度を見てしまうと、レコーダーやシアター機器に特にこだわりがない限り、同じメーカーで揃えた方がメリットが多いと感じるだろう。
ちなみにHDMIリンク機能の検証のため、パナソニックの「TH-P46G2」に同社のBDレコーダー「DMR-BW680」と、ソニーのBDレコーダー「BDZ-RX35」を接続。それぞれの主な動作についてHDMIリンクが対応するかを検証してみた。結果は下の表の通り。
機種名 | DMR-BW680 | BDZ-RX35 |
---|---|---|
電源オン | ○ | ○ |
電源オフ | ○ | ○ |
メニューからの操作 | ○ | × |
テレビ側のEPGでの録画予約 | ○ | × |
BDソフトオート再生 | ○ | ○ |
基本的には予想通りの結果だ。HDMIリンク機能は、各社共通の基本命令と独自の拡張命令で構成されており、電源オン/オフの連動やBDソフト再生時にテレビ側が連動して入力を切り換える機能などは、他メーカーの機器でも対応できることが多い。
逆にメニュー操作やテレビ側のEPGでレコーダーの録画予約を行なうといった操作は拡張命令になるので、他社製レコーダーでは対応しないことが多い。もちろん、ECOスタンバイなども対応はできないだろう。
電源オン/オフだけでも十分、という人もいるだろうが、やはりテレビ側のEPGでレコーダーの録画予約ができることがあると便利なので、使い勝手を重視するなら、「VIERA」と「DIGA」の組み合わせがおススメだ。
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