“best of PDC”と銘打たれたマイクロソフトの技術者向けカンファレンス「Microsoft Tech・Days 2010」が、東京・お台場にて開催された。今さら言うまでもないが、今年は同社のクラウド環境「Windows Azure」が登場したターニングポイントだ。イベント冒頭のキーノートセッションは、今まで発表されてきたアーキテクチャの総ざらいといった趣で、今年1年間の変化を予感させるには十分な内容となっていた。
冒頭壇上に立ち、司会を務めたのは昨日のWindows Azure国内提供開始の記者発表会(関連記事)にも表われた、マイクロソフト 執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長 大場章弘氏。大場氏は、「Windows Azure」、「Windows 7」、「Silverlight」、「Visual Studio」の4つのテーマを、この基調講演で紹介すると述べた。
米本社のテクニカルストラテジスト
スティーブ・マークス氏登場
まず紹介されたのはWindows Azureだ。登壇したのは、マイクロソフト Windows Azure担当テクニカルストラテジスト スティーブ・マークス氏。大場氏は、米国にてマークス氏のデモンストレーションを見て、是非とも、とTech・Days 2010に招聘したのだそうだ。
マークス氏はまず、Windows Azureのテクニカルプレビュー提供時から非常に多くのフィードバックを受け、それがWindows Azureを進化させてきた点に触れ、謝辞を述べた。続いて現在のWindows Azureのプログラミングモデルについて、どのように進化してきたかを語った。
Windows Azureの登場当時は、フロントエンドの処理を行なうWeb Roleと、バックエンドの処理を行なうWorker Roleが、ストレージキューを介した非同期のコミュニケーションを行なっていた。しかし現在では、複数のロールを使用できるほか、Role間がキューを介して、もしくはTCPを介して同期/非同期にかかわらず通信することが可能となっている。また、Worker Roleが直接インターネットから受信することも可能となった。これによって、「皆さんが考えているどのようなアーキテクチャも実現可能可能となった」とマークス氏は述べる。
なお、マークス氏はプレス向けのQ&Aセッションも開催しており、その模様は後日お伝えする。
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