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野村ホールディングスや日産自動車、NTTドコモの事例、クラウド戦略も

マイクロソフト、1000人体制でエンタープライズを攻める

2010年10月08日 10時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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 10月7日、マイクロソフトは新宿の本社で「マイクロソフトのエンタープライズビジネスへの取り組み」と題した説明会を開催。執行役常務の平野拓也氏が、同社のエンタープライズへの取り組みを語った。

マイクロソフトの執行役常務エンタープライズビジネス担当の平野拓也氏

 マイクロソフトは7月に「2011年度経営方針説明会」を開催し、代表執行役社長の樋口泰行氏が今後の方針や注力点を表明したが、エンタープライズ戦略については触れられなかった。今回の説明会は、この欠けていたエンタープライズ戦略について、どういった方向でビジネスに取り組んでいるかをエンタープライズビジネス担当チームを率いる平野拓也氏が解説するというものだ。

 デスクトップビジネスやPCへのバンドルOSのイメージも強いマイクロソフトだが、その売り上げの8割近くが法人関係だという。その中でも平野氏が担当するのは大手企業向けのセールスで、エンドユーザー担当やパートナー担当、技術・ソリューション担当などの従業員500名のチームを率いている。

平野氏が率いるエンタープライズビジネス担当チーム

 また、平野氏とは別のチームになるが、エンタープライズの製品導入支援や保守を担当するメンバーがおり、こちらも500名とのこと。日本におけるエンタープライズビジネスは、この合計約1000名で担当しているわけだ。

 平野氏のチームが担当する企業の1つが、野村ホールディングスだ。野村ホールディングスは、2008年にリーマン・ブラザーズの海外部門を買収するなど、ワールドワイドで展開を行なう証券グループである。マイクロソフトは日本法人として、この野村ホールディングスと「Microsoft Enterprise Agreement(エンタープライズ アグリーメント)」のグローバル契約を締結したという。

 Enterprise Agreementは、特定のマイクロソフト製品のライセンスを企業内すべてのPCに対して契約するものだ。ソフトウェアアシュアランス(SA)が標準でセットになっているため、契約期間内であれば、追加コストなしで各製品の最新バージョンへの更新が行なえる。

 この締結によりマイクロソフトは、野村ホールディングスの世界35カ国の従業員に対し、WindowsやOfficeアプリケーション、そしてサーバー製品などについて最新のテクノロジーを提供するほか、24時間365日のサポートも行なうことになる。もちろん日本法人だけで提供するのではなく、日本法人が旗振り役となり、マイクロソフトのワールドワイドの組織が動いている。

 一方、2010年に日産自動車グループとは3年間の包括契約を更新したという。これにより、グローバルで約4万人のグループ社員を対象に、デスクトップからサーバー製品までほぼすべての製品を提供する。製品の使用だけでなく、日産のスタッフがマイクロソフトの米国本社と行き来するなど、人材の交流も行なっている。「結果として、お客様のITのコストダウン、いろいろな生産性の向上に貢献しているかなと思っています」(平野氏)とのことだ。

マイクロソフトは、NTTドコモともEnterprise Agreementを締結している

 またNTTドコモとは、グループのイントラネット「DiSH(DOCOMO Group infrastructure for Data Sharing)」に関して、1998年から継続的にEnterprise Agreementを締結。クライアントベースで約6万台に対し、システム構築時に必要な最新のテクノロジーを提供しているという。

マイクロソフトのクラウドの強みとは?

 現在マイクロソフトはワールドワイドでクラウド事業を進めており、日本法人も前述の経営方針説明会で「クラウドへのシフト」を表明している。平野氏のチームでも、約50名がクラウド専属となっており、さらに営業の全メンバーがクラウドについての提案やソリューションが語れるようにという方針を持っているという。

 世界的なクラウドブームの中、多くの企業がさまざまなクラウドを提供している。その中でマイクロソフトのクラウドの大きな特徴に、オンプレミスとの連携にある。平野氏によれば、「従来の手元にあるシステム、サーバーソフトウェアの環境をクラウドでも提供できるのが、マイクロソフトの1つの大きな強さ」だ。

アプリケーションからミドルウェア、OSまで、オンプレミスとクラウドの両方を用意するのが、マイクロソフトの大きな特徴だ。

 たとえば、あるクラウドベンダーは、「開発も運用もすべてクラウドに」としている。しかしマイクロソフトのクラウドは、開発は手元のサーバーで行ない、それをクラウドに上げる。もしくは、クラウドで運用を始めたものを、手元に戻すといったことができる。ほとんどの企業がオンプレミスのシステムを使っている以上、こうした柔軟さは、企業のクラウド選定の大きな要因となるのだろう。

 マイクロソフトのクラウドサービスの1つが、ExchangeやSharePointの機能をクラウドサービスとして提供する「BPOS(Business Productivity Online Suite)」だ。2009年に始まったばかりのサービスだが、今年2月の時点でワールドワイドで400万ユーザー、国内では今年6月の時点で約25万ユーザーが導入しているという。

 もう1つのクラウドサービス「Windows Azure Platform」については、今年2月にリリースされてから、さまざまアプリケーションが作られており、日本は、アメリカに次いで、アプリケーションの構築数が多いという。

 マイクロソフトは、Azureのリリースに先立って、シカゴに巨大なデータセンターを構築している。このデータセンターに搭載されたサーバーの数は、なんと2009年に日本国内で出荷されたサーバーとほぼ同数だという。マイクロソフトのクラウドにかける意気込みを感じさせるエピソードといえるだろう。

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