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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第39回

Intelチップセットの歴史 その9

Nehalem世代で大きく変わったサーバーチップセット

2010年02月15日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/)

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Atom向けチップセットロードマップ

Atom向けチップセットロードマップ

Atom向けチップセットのバリエーションと今後

 サーバー向けとは別に、触れておくべきなのがAtom向けチップセットである。37回でも大雑把に、「US15W」→「NM10」という流れをご紹介している。

Atom ZとUS15W

Atom ZとUS15Wチップセット(右)

 まず2008年3月のAtom Zシリーズの発表と同時に、US15Wのほか「US15L」「UL11L」という3つの製品がリリースされている。本来これらはMID(携帯型インターネット機器)などの機器向けであるが、「COM Expressモジュール」という超小型組み込み向けボードにも最適ということで、当初からこうした用途向けを考慮していたようだ。

 当初リリースされた3製品のうち、US15Wは組み込み向けに設定されており、映像出力はLVDSとSDVO(インテルチップセットで使われる映像出力規格)のみだ。対してUS15Lはコンシューマー機器向けと位置づけられ、アナログRGB/LVDS/テレビ出力/DVI/HDMIをサポートする。UL11LはUS15Lのサブセットで、内蔵するGPU(GMA500)が100MHz動作(US15Lは200MHz)とか、最大メモリー容量が512MBといった制約がある以外は同じである。

 これに続き、2009年3月には「US15WPT」「US15WP」が登場している。こちらはUS15Wにデュアルディスプレーの機能を追加したもので、車載向けを意識した製品だ。そのためUS15WPでは-40~85度、US15WPTでは-40~105度までの動作温度をサポートしている。

 チップセット新製品が投入されると想像されるのは、Atomベースの組み込み向けである。Pineviewベースの新Atom「Atom N450」「同D410」「同510」が2009年末~2010年1月にかけて発表されたが、実はこれらの製品はいずれも組み込み向けではない。しかも、CPUはハロゲンフリーオプションの製品が用意されているが、組み合わせるチップセットのNM10は、まだハロゲンフリー対応製品がない。これでは最終製品を輸出できる国に制限が出てくるし、組み込み向けに使えない。

 だからといって、「組み込み向けは引き続きFSBで接続する従来の構成を……」というわけにもいくまい。恐らく2010年中には組み込み向け用NM10(NM10W?)が用意されるのではないかと想像される(CPU側も組み込み対応製品を用意する必要があるから、時期は比較的遅め)。

 問題はその先で、2011年にこうした汎用の組み込み向けコアをどの程度用意するつもりなのか、正直想像がつかない。2011年にはSoC(System on Chip)向け45nmプロセスがかなり成熟しているはずで、これを使ったSoCが大量に出てくる可能性もあり、恐らく汎用向けは引き続きPineview+NM10Wの組み込み対応版、となりそうに思われる。

 もうひとつ見えないのは、「Langwell」のコード名で開発中の「Moorestown」プラットフォームである。こちらはMIDにより特化した形になっており、確かにパッケージサイズは小さくなる。だが、COM Expressのような組み込み用途を考えた場合、CPU内に不要な機能(ビデオエンコーダー/デコーダーやGPU)がやや入りすぎている嫌いがあるからだ。

COMPUTEX TAIPEI 2009で披露された「Moorestown」の概要

COMPUTEX TAIPEI 2009で披露された「Moorestown」の概要

 もちろんデジタルサイネージなどの分野を考えると、この手の機能があっても困らない場合もあるので一概には言えないのだが、はたして組み込み向けラインナップを用意するかどうかも、正直よくわからない。仮にあったとしても、インテルとしてはMID向けが当初は最優先だろうから、登場は早くても2011年以降になるのではないかと予想される。

今回のまとめ

・FSB方式の限界に直面していたインテルは、Nehalem世代のCPUで「QPI」を導入したことでFSBの制約から逃れたが、それには4年を要した。

・Nehalem世代のサーバーCPUに対応した最初のチップセットは、2009年3月に投入された2プロセッサーシステム向けの「Intel 5520/5500」となった。

・2010年に登場する組み込み向けのNehalemベースCPU「Jasper Forest」こと「Xeon C5500/C3500」では、DMI/PCIeとQPIを組み合わせることで、柔軟なプラットフォーム構成が可能になる。

・Nehalem世代の4/8プロセッサーシステム向けCPU「Nehalem-EX」向けには、「Boxboro-EX」がチップセットとして提供される。名称は「Intel 7500番台」と予想される。

・組み込み用Atom向けチップセットは、Pineview向けの「NM10」の改良版が投入されると見るが、時期は2010年の比較的遅めか。MID向けのチップセット「Langwell」の組み込み向け版は、現時点では不明。

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