Intelチップセットの歴史 その9
Nehalem世代で大きく変わったサーバーチップセット
2010年02月15日 12時00分更新
Nehalem-EXに合わせて「Intel 7500」が登場
5500番台は今後もしばらく使われる?
ではいよいよ、Xeon向けチップセットの今後のプランを説明しよう。まずハイエンドでは7300シリーズの後継として、4プロセッサーサーバー向けCPU「Nehalem-EX」をサポートするチップセット「Boxboro-EX」が、2010年3~4月に公式発表されると思われる。Nehalem-EXそのものがNehelemと同じ45nm世代のプロセスなので、恐らく「Xeon X7500番台」の型番で出てくると思われ、これに合わせてチップセットも、「Intel 7500」シリーズとなると予想される。
Nehalem-EXの場合、4プロセッサーでは図4のような、8プロセッサーでは図5のような構成が想定されており、それぞれIOHが2つないし4つ接続される。実のところスペックだけ見る限りでは、恐らくIntel 5520と大差ない構成と思われる。だがハイエンドサーバーということで、IOHの下にICHだけでなく、ESB※2がつく形で構成されると思われる。逆に言えば、違いはその程度になる模様だ。
※2 Enterprise SouthBridgeの略で、サーバーシステム向けのI/Oコントローラーの一種。
この7500シリーズは、恐らく次の世代(32nmのWestmereベースのXeon MP)でも、そのまま使われると想像される。これは2プロセッサー構成向けのIntel 5500シリーズについても同様だ。すでにインテルは2010年に、32nmプロセスで製造される6コアCPUの「Westmere-EP」をXeonに投入することを明らかにしているが、こちらにも引き続きIntel 5500/5520が利用されることが明らかになっている。
これが変わるのは恐らく、2011年の「Sandy Bridge」ベースのコアが投入されてからになるだろう。1プロセッサーのローエンドはともかく、2プロセッサー構成では引き続きQPIで接続されることになると思われるため、はたしてチップセットを更新する必要があるかどうかは非常に疑わしい。例えば「QPIの高速化」といった変化がない限り、2011年もIntel 5500/5520が引き続き使われそうな勢いである。
多少変化があるのは1プロセッサー向けで、こちらはSandy Bridgeコアの投入にあわせて、DMI 2.0に対応したチップセットが用意されるだろう。恐らくはFDIの対応を追加したものが「Intel 3650」、FDI未対応のものが「Intel 3600」、ひょっとすると「Intel 3620」などもあるかもしれない。このあたりはIntel 3400シリーズとほとんど同じであろう。
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