Intelチップセットの歴史 その7
Core 2世代の965から次世代ノートチップセットまで
2010年02月01日 12時00分更新
Intel 4シリーズのおおまかな仕様をまとめると、以下のようになる。
製品名 | X4500 周波数 | TDP |
---|---|---|
PM45 | なし | 7W |
GM45 | 533MHz | 12W |
GS45(High) | 533MHz | 12W |
GS45(Low) | 320/533MHz | 7/8W |
GS40 | 400MHz | 12W |
GL40 | 400MHz | 12W |
GS45の場合、GMA X4500の駆動周波数は通常320MHzで、ビデオ再生時だけ533MHzで動作。その代わり、TDPは7~8WとPM45並に抑えられている。PM45の場合、実際には外部にGPUが付くので、その分を加味すると9W~10WといったTDPのレンジになると思われ、この観点からすればGS45は間違いなく消費電力最小の構成になる。
しかし、GS40ではGMA X4500の駆動周波数が若干引き上げられ、TDPは12Wまで増えてしまっている。従来GS45を採用していた製品にこれを入れるのは、熱設計的に難しいだろう。その観点では、GS40はGL40のやや上位モデルといった扱いになるのだろうが、そこで「Intel GL45」という名称にせずに、GS40としたあたりの理由が知りたいものである。
ところでロードマップ図には、2008年12月に「Intel GM47」なるチップセットが破線で示してある。このチップセット、最終的には製品として出荷されずに終わったが、間違いなく存在はしたようだ。というのは「Mobile Intel 4 Series Express Chipset Family Datasheet」のRevision Historyを見てみると、2008年12月にリリースされた「Revision 003」でGM47に関する項目を大分追加していることがはっきり示されているからだ。
ところが、翌年2009年1月に出たRevision 004(と2009年2月に出たRevision 005)では、このGM47に関して追加した項目が全部削除されている。2008年12月までは出荷に向けて準備を整えていたものの、2009年1月にキャンセルの判断が下ったと判断できる。そんなわけで現在のDatasheetを見ても、GM47がどんな仕様のチップセットなのかは判断できないのだが、追加された項目のほとんどがGMA X4500の駆動周波数と、これにともなう動作電流の定義であることを考えると、GMA X4500をより高速(600~667MHz?)で駆動させるモデルだったと想像できる。これが出荷前に消えたのは、恐らくTDPが12Wの枠を超えてしまって新しい熱設計が必要になってしまい、メーカーから反発された、というあたりではないかと思われる。
Atom Zシリーズ専用のUS15W
こうしたメインストリーム向けとは別に、MID(Mobile Internet Device)向けに特化したのが、2008年4月に登場した「Intel US15W」である。こちらは対応CPUはAtomのみで、構成も最小限である。
MIDの場合、多くのコンポーネントがパソコン向けと異なる。例えば、ストレージはSATAではなくUltra ATA/100が1ポートだけとか、ピン数が増えるPCIバスは省き、PCIe x1が3レーンのみとか、いろいろと割り切った構成になっているのが特徴だ。
こちらも2009年末、新しいAtomプロセッサーであるAtom N410/450とAtom D510が登場したのに対応し、CPUとDMIで接続する「Intel NM10」が登場した。GPUがCPUパッケージ側に移行したことや、MID向けにもSATA対応機器が増えてきたことを受けて、ピン数に大分ゆとりができたためか、PCIバスを追加しているのがちょっと特徴的である。
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