Intelチップセットの歴史 その9
Nehalem世代で大きく変わったサーバーチップセット
2010年02月15日 12時00分更新
Nehalem世代Xeonに合わせたチップセットが登場
さて話を戻すと、こうした苦戦を経て2009年3月には、まず2プロセッサー構成が可能な「Nehalem-EP」が登場。これに対応したチップセットが「Intel 5520」「Intel 5500」である。Nehalem-EPは同時期に登場したNehalemコアのCore i7-900番台と同一構造で、QPIが2本有効(Nehalemは1本が無効化)になっているという構成である。
Core i7の場合はQPIが1本なので図1左のような構成だが、Nehalem-EPでは図中央や、必要なら図右のような構成も可能である。なお5520と5500の違いは、PCI express 2.0(Gen2)のレーン数が異なるほかに、5520が組み込み向けラインナップ(7年間の供給保障)が用意されているのに対し、5500はこれがないことだ。どちらも基本的な構造は、デスクトップ向けの「Intel X58」と共通と考えてよい。
これに続きCPUでは、デスクトップ/ノート向けに「Lynnfield」が「Core i7/i5」として2009年9月に、「Core i7/i5/i3」として「Clarkdale」が2010年1月にそれぞれリリース。同時期に、同じLynnfieldコアを使う「Xeon X3400」シリーズと「Xeon L3400」シリーズが登場した。
これらの登場を受けて、1プロセッサーサーバー/ワークステーション向けに、まず2009年9月に「Intel 3400」と「Intel 3420」が、2010年1月には「Intel 3450」がそれぞれ投入される。Intel 3400はほぼ「Intel P55」相当、3420は後に出た「Intel H55」からFDIのサポートを削除、といった感じのスペックである。3450は「Intel H57」相当になっている。
ロードマップ図では、このIntel 3400シリーズがマルチCPU対応となっているが、これは間違いではない。というのは、2月12日に発表されたばかりの「Jasper Forest」こと「Xeon C5500」「Xeon C3500」が、このIntel 3420を使うからだ。
Lynnfield/Clarkdaleの場合は図2左のような構成になるが、Jasper Forestでは図2右のように利用される。またオプション扱いながら、図3のような構成もありえるそうだ。このあたりの自由度が異様に高いのがJasper Forestの特徴であり、個人的にはJasper Forestを使った自作向け製品が、2010年には案外出てきそうな気がする。
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