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クラウドで迷わないための技術者のワンダーランド

ネットワンのこだわり満載!倉庫の中に魅せるラボ

2010年01月05日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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特注品多し!ラボエリアもこだわりがいっぱい

 さて、次は数多くのラックの立ち並ぶ、ラボエリアに入ってみよう。ここはルーター、スイッチ、セキュリティ、オプティカル、ワイヤレス、UC(Unified Communication)、サーバー/ストレージなどの機器がカテゴリごとにゾーン管理されており、エンジニアは必要に応じてこれらの機器を組み合わせた検証が行なえる。19インチラックの数は301本で、7000点以上の機器が設置されているという。もちろん、検証スペース・ルームと異なり、ここはISMSに基づく厳密なセキュリティ管理が行なわれている。さっそく入ってみよう。

ラボの前にも同じくエリアマップが用意。ゾーン管理が色分けされている。実は省エネのためのLED電球が照らしているのだが、暗すぎてあまり目立たなくなったとのこと

ラボエリアには社員証と申請書がないと入れないとのこと。入り口にはケーブルポリシーに関する注意点が記載されている

入り口に入って左手にはラボのサポートセンターがあり、ケーブルなどを貸してくれる。ラボは24時間だが、サポートセンターは夜には閉まってしまうとのこと

ラボエリア全体に人感センサーを設置し、無駄な照明を削減。消費電力を抑えることが可能になっている

入り口を入ると巨大なダクトチャンバー式空調システムがお出迎え

すべての空調システムはダクトで相互接続されており、N+αの冗長性を確保している

ノイズ等の影響を受けにくくするため、電力ケーブルとネットワークケーブルは完全に分けられている

ラックから延びるケーブルは、電力線とネットワークで完全に分離されているのがわかる

ケーブル長を短くするため、エリアごとに分電盤が用意されている。ラックと「ツラ」を合わせた特注なので、見た目もよし

整然と並ぶ19インチラックスペース。機器の排気特性に合わせ、コールドアイルとホットアイルを導入。排気を効率化している

センターパッチにつながるポートが用意されているので、同一エリアでのパッチ接続だけで異なるゾーンの機器と容易に接続可能

ラック内には個別にアースを用意している。しかも静電気対策として、ラックのへりには鉄粉に混ぜた特殊な導電塗料を塗布しているというこだわりぶり

テクニカルセンター全体での電力管理を可能にするインテリジェントPDUを各ラックに設置

コンセント単位で電流や電圧を監視できるほか、リモートでのON/OFFが可能。100Vの3つ口プラグ対応はラリタンだけのオリジナル

 このようにテクニカルセンターは、ベンダーとも、通信事業者とも異なる視点で作られている。顧客のサーバーを預かるデータセンターではないため、適度なセキュリティとオープン性を有しているのが1つの特徴。また、ラックを空けて、さまざまな機器で作業するのが前提であるため、エンジニアの作業効率に重点を置いているのも独特。作業がしやすいようにラックに棚が用意されていたり、ケーブルをレンタルできるようになっていたり、といった工夫だ。さらにラックや分電盤、インテリジェントPDUなど、ベンダーとのコラボレーションによって設計・開発されたモノも多い。

 予約はかなり先まで埋まっているとのことで、相当有効活用されている模様。「こうしたセンターを活用することでわれわれはシスコ、ジュニパー、ブロケードなどマルチベンダーの製品を検証し、お客様に提案できる。これこそ、ネットワンがこれまで勝ち残れた大きな理由です」(諸井氏)とのことで、ネットワンの競争力の源泉として、今後も有効に活用されていくことになりそうだ。

初出時、所在地を「大田区」と記載しましたが、「品川区」の間違いでした。本文は訂正済みです。(2010年1月7日)

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