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マルチベンダーでのクラウドコンピューティング環境を視野に入れる

浮気じゃない?ネットワンがブロケードとの提携を語る

2009年09月02日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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9月1日、ネットワンシステムズ(以下、ネットワン)とブロケード コミュニケーションズ システムズ(以下、ブロケード)は両者の戦略的な業務提携についての発表会を開催。シスコ製品をメインに扱ってきたネットワンがブロケード製品に本腰を入れる意義とは?

LANからSANまで統合的に扱える体制へ

ブロケード コミュニケーションズ システムズ株式会社 青葉雅和氏

 共同発表会の冒頭、ブロケード コミュニケーションズ システムズ 代表取締役社長の青葉雅和氏は今回の提携について「単なる販売代理店の契約ではなく、戦略的な提携であるところが重要。LANからSANまでの全ブロケード製品をネットワン様に取り扱ってもらうことで、ネットワーク設計や保守、運用、サポートまでを含んだ包括的なネットワークソリューションを提供できるようになる」と概要を説明した。現状、LANやSANまでをシングルベンダーで提供しているところは少ないが、ネットワンが扱うことで単一ベンダーでサポートできるのが大きなメリットだという。

 また、今回の発表会のために来日した米ブロケードのCEOマイク・クレイコー氏は「パートナーシップはブロケードのDNA。世界第二の経済大国である日本での成功は不可欠で、ネットワンは顧客の高い要求に応えられるノウハウと経験を持っている」(マイク氏)と述べ、ネットワンとの提携に強い期待を示した。

米ブロケード コミュニケーションズ システムズ CEO マイク・クレイコー氏

 一方、パートナーとなったネットワン代表取締役社長の吉野孝行氏は「IPのトラフィックが急激に増加し、ストレージも飛躍的に拡大しているのが現状。こうした昨今の要件から、ストレージ、サーバ、ネットワークを統合化したサービスが今後は重要であり、ブロケードとの提携が必要と考えた」と述べた。

 また、今回の提携ではクラウドコンピューティング環境の検証を実現する「Virtual Cloud Lab.」の構築も発表された。これはブロケードが持つサンノゼのデータセンターと、ラックで300本、機材で5000台というネットワンが持つデータセンターを相互に接続し、マルチベンダー環境での技術検証を行なうというもの。吉野氏は「まずは相互接続テスト、次に仮想化の動作確認、そしてパフォーマンスを検証し、クラウドコンピュータ環境を実機で動作確認できるようになる。マルチベンダー環境でIPやSANなどの統合した、世界でも類のない新しい試み」とその先進性をアピールした。

データセンター製品を幅広く手がける
シスコとの関係は?

 ご存じの通り、ネットワンは古くからシスコシステムズの製品をメインに扱っており、国内市場でのシスコ製品の躍進に大きく貢献してきた経緯がある。また、近年シスコもLAN製品だけではなく、NexusをはじめとするSAN製品や、Unified Computing Systemなどのサーバ製品も提供しており、クラウドコンピューティング環境を単一ベンダーで提供できる品揃えを持っている。しかし、「現在、SANのビジネスはゼロに近い」という吉野氏の言葉から考えると、製品やソリューションの面で欠けていた部分があったのも事実のようだ。

ネットワンシステムズ代表取締役社長 吉野孝行氏

 吉野氏は「弊社はシスコ製品だけではなく、以前からジュニパーやファウンドリーの製品も扱っている。これは複数ベンダーのベストな機材の組み合わせが重要だと考えているから。ただ、ブロケードによるファウンドリーの買収以降、CEOのマイクさんとは緊密に話をはじめ、経営や技術、ソリューションという観点で共感した」とのことで、ブロケード製品をかつぐことで顧客の課題解決のためのサービスの拡充が実現できると感じたという。実際に同社でのブロケード製品の売り上げも増えていることもあり、単なる再販ではなく、戦略的提携という策を取ったようだ。マイク氏も「弊社の製品はデータセンターからスタートしており、業界で類を見ない品質を実現している。こうした品質をSANスイッチだけではなく、(ファウンドリーの)スイッチにも拡げていきたい。こうしたビジョンや買収の意義をネットワンは完全に理解している」と、将来像が一致したことを提携の要因として挙げている。

 ライバルであるシスコとの戦いにおいて、実績のあるSANスイッチとともにファウンドリーのスイッチを擁したブロケード。今回、ネットワークインテグレータとして高い実績を誇るネットワンを仲間につけたことで、より強固な販売体制が実現するのは間違いない。今後はサーバやストレージなどのOEMパートナーをどこまで巻き込めるか、扱えるエンジニアをどれだけ増やせるかなどが大きな鍵となる。

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