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参照トラフィックのユーザーを常連化するには? (3/4)

2009年11月24日 11時00分更新

文●中野克平/デジタルコンテンツ部編成課

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 Google Analyticsのレポートのうち、セッション数を扱うレポートでは新規セッション率と直帰率も扱えます。新規セッション率と直帰率を組み合わせることで、ある指標のセッション数が多いか少ないかではなく、「新規ユーザーが多く、しかも多くのユーザーが読み進んだのはどれか?」や「既存ユーザーが多いのに、読まれなかったのはどれか?」という観点で指標を読み取れるようになるわけです。

「新規セッション率が高くて直帰率が低いセッションが多い参照サイトは潜在的に常連ユーザーになる可能性が高い、ということでしょうか?」――この連載の第8回では、キーワードについて同様の方法で解析しました。その際、「新規セッション率と直帰率の高低で、コンテンツがユーザーの目的を達成できたかを判断するのは実はかなり乱暴な話」と書いたように、新規セッション率と直帰率の高低で参照サイトとコンテンツの相性を判断するのも乱暴な話です。ただし、「乱暴」の意味はキーワードと参照サイトでは異なります。

 キーワードの場合、あるキーワードで到達するコンテンツは1つ(検索エンジンが推薦するページ)なので、平均ページビューや平均サイト滞在時間は直帰したセッションを除いて考えないと、実態に迫れません。コンテンツが1ページなのか、2ページ以上なのか分からなければ、直帰率だけで満足か不満を判断するのは乱暴です。

 一方、参照サイトの場合、参照サイトがどのページにリンクを張るのかまったく分かりません。ある参照サイトからの直帰率が低い、高いという評価は、個々のコンテンツではなく、いくつかのリンクを張られたコンテンツの平均値になります。ブログのように1ページが基本のコンテンツでは直帰率が高くて当たり前ですので、「ある参照サイトからの直帰率が高いので、そのサイトとコンテンツの相性が悪い」という判断は乱暴なのです。

 コンテンツに対するユーザーの感想を指標から読み取るには、以下のように指標を使い分けるといいでしょう。

サイトの分類 ユーザーの感想を推定するための指標
ニュースサイト 平均ページビュー
ブログ/物販ページ 平均サイト滞在時間
プロモーションサイト 直帰率

 多くのニュースサイトは、1つの記事に複数のページがあります。ユーザーは何かの情報を知りたくて記事を読むはずなので、ユーザーの満足度は平均ページビューに現れるはずです。ブログや物販サイトは、1情報1ページであることが多いので、平均ページビューや直帰率ではユーザーの満足度を測れません。ユーザーの満足度はむしろ平均サイト滞在時間に現れるでしょう。プロモーションサイトは、そもそもの商品やサービスに興味がなければ、1つの記事が何ページあろうが直帰してしまいます。ユーザーの満足度は直帰率に現れるでしょう。ただ、1つの記事に複数のページがあるニュースサイトでも、ユーザーの満足度は直帰率に現れます。どの指標を使うか困ったら、とりあえず直帰率を使うとよいでしょう。

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