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参照トラフィックのユーザーを常連化するには? (1/4)

2009年11月24日 11時00分更新

文●中野克平/デジタルコンテンツ部編成課

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※この記事は「現場でプロが培ったGoogle Analyticsの使い方」の第12回です。過去の記事も合わせてご覧ください。


 参照トラフィックの分析の3回目は、参照元サイトとコンテンツの相性を調べ、潜在的に常連ユーザーになる可能性が高いユーザーがどこにいるか、また、未開拓の新規ユーザーを多く抱えている隠れた鉱脈を見つけるにはどうしたらいいかを取り上げます。

「セッション数の増減をトラフィック別に分析し、参照トラフィックの増減が顕著だったときの参照サイトがどこなのか調べるわけですね」――はい。だんだんGoogle Analyticsの分析手法が身についてきたようですね。あるWebアナリストはGoogle Analyticsを使ったアクセス解析を「因数分解」と呼んでいました。変化に気づいたら原因を考え、さらにどの原因が何かを考える。第1回でGoogle Analyticsのメニューが因果関係順に並んでいると説明したとおり、ドリルダウン機能を使って、原因-結果の因果関係を次々に掘り下げていけるのがGoogle Analyticsの面白さです。ではさっそく、ASCII.jpのあるサブドメインについて、ある期間を比較したときの表を分析してみましょう。

期間A 期間B 増減
全体 セッション数 1,405,691 1,395,523 -0.72%
平均ページビュー 3.94 4.02 +1.82%
ページビュー 5,545,342 5,605,222 +1.08%
直帰率 44.10% 44.16% +0.12%
ノーリファラー セッション数 298,169 290,632 -2.53%
構成比 21.21% 20.83% -1.82%
平均ページビュー 4.26 4.25 +0.32%
直帰率 42.59% 43.13% +1.25%
参照サイト セッション数 412,439 419,220 +1.64%
構成比 29.34% 30.04% +2.38%
平均ページビュー 3.73 3.91 +4.91%
直帰率 42.51% 41.07% -3.39%
検索エンジン セッション数 695,077 685,594 -1.36%
構成比 49.45% 49.13% -0.65%
平均ページビュー 3.94 3.97 +0.85%
直帰率 45.70% 46.48% +1.72%

「サイト全体でセッション数が0.72%減りましたが平均ページビューが若干増えたので、ページビューが1.08%伸びました。もっともセッション数が減ったのはノーリファラーで、2.53%減り、検索エンジンからも1.36%減りました。何ですかコレは! ほとんど同じじゃないですか!」――そうですね。実際にアクセスを解析すると分かりますが、Webサイトの指標はつねに変動しているわけではありません。しかし、変動していなくてもアクセスを解析する必要があるのです。特に、参照トラフィックは誰かが外部でリンクを張ることで発生しますので、同じような数値だから同じようなユーザーが、同じようなサイトから訪れた、と理解するのは大間違いです。ユーザーの嗜好は季節変動や世相の変化などによって移り変わっていきますので、指標がほぼ同じ値でも、中身は大きく変化している可能性があるのです。

 以下は、「トラフィック」→「参照サイト」レポートで、期間Aと期間Bの参照トラフィックを調べたときの画面です。

「トラフィック」→「参照サイト」レポート

「トラフィック」→「参照サイト」レポート


 参照トラフィックのセッション数は前の期間に比べて1.64%増えただけですが、参照元サイトごとのセッション数は大きく変動していることが分かります。これまでは説明のしやすさを優先して「大きな変化に気づいて原因を探る」という手法を採りましたが、実際のアクセス解析では「表面的には変化がない変化に気づく」ことも重要です。

 どの参照サイトからのトラフィックがどれだけ増減したのかは、同じレポートで表示形式を比較モードにすると、分かりやすいです。

2つの期間のセッション数の増減を調べるには「トラフィック」→「参照サイト」レポートの表示形式を比較モードにすると分かりやすい

2つの期間のセッション数の増減を調べるには「トラフィック」→「参照サイト」レポートの表示形式を比較モードにすると分かりやすい

 期間Aと期間Bの参照トラフィックは、全体のセッション数という表面的な指標ではほとんど同じですが、どのサイトからユーザーが訪れたかを見ると、かなり異なります。上位25件を見ると、もっとも減少率が高いnews.google.co.jpで-57.58%なのに対して、増加率が高い「ねたミシュラン」(netamichelin.net)は642.18%、「にゅーあきばどっとこむ」(new-akiba.com)で291.62%もあります。つまり、全体的には外部からリンクを張ってもらえる記事は少なかったものの、特定のWebサイトの嗜好にはマッチしため、参照トラフィック全体では変化がないように見えるのです。しかし、参照トラフィックの実態としては減少傾向にあるので、問題を分析して手当てする必要があります(実際に、この後の期間で参照トラフィックが激減しました)。

「参照サイトによってセッション数の増減に違いがあるのは分かったのですが、問題を分析して手当てするにはどうしたらいいのでしょうか?」――Google Analyticsのレポートだけでは踏み込んで考えにくいので、データをExcelにエクスポートします。次のページはエクスポートとデータの整形方法なので、実際に作業しない場合は読み飛ばしてください。

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