ヤマハの3Dテレビ対応アンプ「RX-V567」(6月下旬に発売予定、予想実売価格5万円前後)は、同社のラインアップの中でエントリークラスに当たるモデルだ。
エントリーといっても、3D信号の伝送に対応したのをはじめ、オーディオリターンチャンネル(ARC)にも対応するなど、HDMI Ver.1.4の最新機能にきちんと対応している。内蔵するパワーアンプも7ch構成で、7.1chサラウンドのほか、フロントバイアンプ駆動による5.1ch/2ch再生も行なえるなど、機能性において見劣りはない。
初めての人でも使いやすいAVアンプ
ヤマハは昨年発売のモデルから、特に使い勝手に関わる部分を大きく改善しており、初めてAVアンプを使うような人にとって使いやすくした。本機もそれを継承しており、リモコンや前面ボタンを押すだけで、入力切り替えと音場プログラムをまとめて選択できる「SCENEボタン」を採用。背面の入出力端子も映像系と音声系をまとめたわかりやすい配置としている。
AVアンプはホームシアター機器の中でも敷居の高い単品コンポに分類される製品で、一般の人には敬遠されがちだ。それなりの知識や経験を持った人しか使えない物というイメージもあるだろう。そういったネガティブなイメージを払拭し、薄型テレビにBDレコやゲーム機を接続してテレビ放送やBDソフトなどを楽しんでいるライトユーザーにAVアンプによる本格的なホームシアターの魅力を伝えたいというのがヤマハのメッセージだ。
そうした気軽に使ってもらうためのモデルだけに、サイズも上級機に比べれば小さめで、前面パネルも上部に透明なアクリルパネルを配するなど、デザイン面でもインテリア性を考慮したものとなっている。
操作のためのボタン類が多くはなっているが、典型的な単品コンポ然とした野暮ったいイメージはあまり感じない。背面を見ても、前述のわかりやすい配置に加え、スピーカー端子をバナナプラグ対応としている。
エントリーモデルとしては省略されがちなのだが、端子に被覆を剥いたスピーカーケーブルの電線を差し込みネジを締める(7本のスピーカーを接続するならば、作業は計14回)という作業が、あらかじめスピーカー端子にバナナプラグというアクセサリーを組み合わせておくことで、手軽に抜き差しするだけで配線ができるようになっている。
スピーカー端子の配線は、面倒なことに加えて、プラス(赤)とマイナス(黒)の電線が接触していると事故の原因になる(AVアンプにはそのための保護回路が備わっている)など、素人にはちょっとおっかない部分でもあるので、こうした配慮はありがたい。
そして、iPodを接続するためのDockアダプター「YDS-12」(実売価格8400円前後)にも対応している。これは、iPodをセットするだけで手軽に高音質再生ができる便利なアイテムだ。
記事掲載当初、「YDS-12」はiPodからデジタル出力が行なえるような記述がありましたが、誤りです。お詫びして訂正いたします(2010年6月16日)
このほか、最近なにかと注目されることの多い省エネ性能にも配慮しているのが、本機の新しい特徴だ。スタンバイ時の待機時消費電力は0.2Wに抑えられ、AVアンプを使わずにテレビのスピーカーでBDレコやゲーム機の音を再生できるスタンバイスルー時でも待機時消費電力を3W以下に抑えている。
なお、スタンバイスルー時は、AVアンプの電源を入れなくても、入力切り替えも行なえるようになっているなど、使いやすさには徹底してこだわっている。

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