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通な人も唸る画質と音質! パナのBDレコーダー「DIGA」を試す

2009年09月17日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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3つのモードを選べる「真空管サウンド」

「真空管サウンド」は3つのモードを用意する

「真空管サウンド」は3つのモードを用意する

 レビューのラストは音質だ。画質同様、音質にもこだわっているのが、歴代900番台だが、今回のこだわりは凄まじい。

 まず、高音質パーツとしては、従来からの厳選されたオーディオ用パーツの採用に加え、32bitオーディオD/Aコンバーターを採用。アナログ出力の音質にもさらに磨きをかけた。もちろん、デジタル音声出力もさらに充実。HDMI伝送で問題とされるジッターの発生を低く抑える処理を加えている。また、機能的にも「ドルビー TrueHD」などのHDオーディオのフルデコードに対応。HDMI出力時にビットストリーム出力だけでなく、最大7.1chのリニアPCM信号を出力できる。

本体底面のインシュレーター

本体底面のインシュレーター

 また、BW970専用のインシュレーターは、従来の樹脂製ではなく、高硬度セラミック材を採用。振動により100Hz~1kzの振動を抑制することで、可聴帯域でのS/N感を向上。特に中~低音域の再現性に効果がある。

 インシュレーターだけの効果ではないと思うが、実際に低域の伸びはかなり優秀で、エアコンの動作音のような室内の暗騒音や、街中の遠くで響く車の走行音など、同じように低く小さく「ゴー」っと聞こえるノイズも明瞭に描き分け、映画やコンサート会場など、現場の空気感の再現性が見違えるようだ。

 中~高域でもS/Nがかなり向上しているようで、情報量がとても多い。サラウンドでも前後のスピーカーの間に音が定位する音像のリアルさ、空間を埋め尽くすBGMの広がり感などかなり優秀である。

 強いて言えば、かなりモニター的な真面目な音なので、特に音楽などを聴く場合はもうすこしリッチさや柔らかさがあっても良いと感じた。しかし、そのあたりも配慮されており、「再生設定」メニューから「音質効果」を選ぶことで微調整できる。

 音質効果は、従来から定評のある「リ.マスター標準/強」などに加え、今回は新たに「真空管サウンド」を3モード用意した。「リ.マスター標準」は、圧縮処理で欠落した音楽信号の高調波成分を復元するもの。従来よりも高音域の周波数特性を大きく改善しているという。これを選ぶと、情報量はそのままに音がやや柔らかい感触になる印象だ。

 そして「真空管サウンド」は、真空管が持つ特徴的な出力特性の傾向(基本波に対し、2次~3次の高調波が乗り、温かみのある音質に感じやすい)をデジタル処理によって擬似的に再現するもの。真空管アンプの楽しみである球(真空管の通称)の違いを聴き比べる楽しみのため、3種類の特性を用意してるというわけだ。

 「真空管サウンド1」はヴァイオリンなどの弦がやや艶っぽくなり、温かみがある。「2」は中高域に厚みのある印象で、「3」は中~低域が盛り上がり一番ふくよかな印象だと感じた。このあたりは好みに合わせてじっくりと聴き比べるといいだろう。

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