PoEの伝送制限を超える装置
日商エレクトロニクスは、米モトローラのPoE(Power over Ethernet)延長装置「XLP-7000」の販売を開始した。これは100mの伝送が限界となっているIEEE 802.1afにおいて、長距離伝送を可能にするもの。既存のDSL技術とモトローラ独自の技術により実現したという。
製品は親機となる8ポートのPoE延長スイッチ「XLP-7038」と、子機となるリモートPoEモデム「XLP-701」から構成されている。両者の間で最大1.5kmの給電・通信が可能で、上りで20Mbps、下りで75Mbpsの伝送速度を実現している。XLP701には、通常のIEEE802.1af準拠のカメラや無線LANアクセスポイントをつなぎ、給電・通信が行なえる。既存のPoEの距離制限を超えられるほか、配線コストを節約できるというメリットもあるという。
伝送メディアとしては既設の電話線のほか、アナログカメラの接続などに利用していた同軸ケーブルもサポートする。もちろん電話線の利用に関しては、100kHz以上の周波数帯を用いるため、アナログ電話と干渉しない。さらにPLCと異なり、屋外での利用も可能になっているという。
同社は1997年から販売している構内DSLでの実績を活かし、同軸ケーブルを用いたアナログカメラのリプレイスや、大規模工場の無線LAN化、電源確保が難しい屋外のネットワークカメラ設置、非常電話のIP化などの展開を提案していきたいとしている。
価格はオープンで、市場想定価格はスイッチのXLP-7038が40万円、モデムのXLP-701が6万円となっている。
