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インフラ&ネット技術の今と未来 第3回

18年の歴史を刻んだオープンソースの雄

Atom登場が追い風となるLinux

2009年09月09日 06時00分更新

文● のりぞう

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サーバ用途での機能強化

 Linuxカーネルは日々改良が続けられている。バグフィックス、パフォーマンスや安定性、スケーラビリティの向上など、その内容は多岐に渡る。それらの中で、最近注目されているものの1つが新たなファイルシステムだ。

 現在使われているLinuxの標準ファイルシステムはext3と呼ばれるもので、これは以前に標準のファイルシステムだったext2にジャーナリング機能を付加したものだ。この機能により、fsck(ファイルシステムの整合性チェック)時にメタデータと実データの突き合わせを行なう必要がなくなり、チェックに要する時間が極めて短くなった。

 2008年12月24日にリリースされたLinuxカーネル2.6.28では、ext3を発展させたext4が安定版となった。ext4は64ビットファイルシステムで、1EiB(1エクスビバイト=1,152,921,504,606,846,976バイト)というきわめて大きなボリュームをサポートする。また、ファイルの断片化を抑制する遅延アロケーションやエクステント機能などを持つ。このほか、ファイルのタイムスタンプの範囲が西暦1901年から2514年までに拡大され、さらに分解能が1秒から1ナノ秒になっている。

 なお、Fedoraの次期バージョンであるFedora 11では、ext4がデフォルトのファイルシステムとして採用されることがアナウンスされており、安定性が実証されればRed Hat Enterprise Linuxなどのサーバ向けディストリビューションでも採用されることになるだろう。

 もう1つ話題になっている次世代ファイルシステムが、Btrfs(バターFSと読む)だ。こちらはまだ安定版ではなく、当面は実用に供するのに向かない。だが、テスト版のLinuxカーネル2.6.29-rc1でソースコードのツリーに組み込まれた。Btrfsはオラクルによって開発されているコピーオンライト(CoW)のファイルシステムで、大規模なストレージ向けの機能を実装する。コピーオンライトとは、データを複製する際に実際にはコピーを行なわず、データの書き換えがあったときに変更点を別の領域に記録する手法だ。変更のない部分は複製されないため、大きなデータを扱う場合にパフォーマンスを向上させ、ストレージ領域を節約することができる。また、ファイルシステムに用いる場合、差分のみを取り出せばよいのでスナップショットを容易に実現できる。

 ここでは次世代ファイルシステムに焦点を当てたが、近年のLinuxカーネルはエンタープライズサーバに求められるスケーラビリティとパフォーマンスの向上を追求する方向での改良が進んでいるといえよう。

(次ページ、「さらなる普及を目指す仮想化」に続く)


 

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