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ニコニコ動画講座の神職人を取材してみた 第1回

プロの犯行現場|美少女イラストをSAIで描く【線画編】

2009年06月27日 10時00分更新

文● ASCII.jp編集部  絵・監修● 網野コハク

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ラフ#1――まずはざっくりラフ編

 網野さんが使用しているペイントツールはSYSTEMAXの「SAI」。イラストレーターに必要最低限の条件を揃えながら、5250円というコストパフォーマンスの高さが魅力のツールだ。ペンタブレットにはワコムの「Intuos3」を使用している。

 それではざっくりとしたラフの流れを追ってみていこう。およそ30倍速にした動画のあとに、静止画で描き方を紹介していく。

 まずはカンバスサイズの設定から。新規ファイルを作成し、最終的に「使いたい」サイズのおよそ2倍を選択する。たとえば今回であれば掲載画像がタテ800ドットなのでタテ1517ドットにしている。ちなみに「初音ミクが可愛すぎるので描いてみた」は1203×1500ドットだ。

 Shiftを押しながら下絵となる画像(編集長が描いたアレ)をドラッグ&ドロップし、カンバスにペースト。カンバスに密着するよう変形し、透明度を30%程度にして「土台」を作る。

まずは新規ファイルを、最終的なサイズの2倍程度で作成。依頼の下絵を透明度30%で土台にする

 「rahu」と名前をつけたレイヤーセット(レイヤーを収納するディレクトリー)を作成し、ラフを6ptの鉛筆ツールで描いていく。もちろんポイント数はあくまで参考で、カンバスサイズによってサイズは上下させればいい。

はじめは風船のような丸いパーツで体の部位をフチ取っていく。この時点で作業ごとにレイヤー分けを開始!

 コツはラフ段階で「作業ごとにレイヤー分けをしておくこと」という。まだ全体の形を丸くフチ取っている段階でレイヤー数が大量に分かれていくのに驚かされた。ラフ段階でこんなにレイヤー分けするのか!

 「頭、胴、胸、腕」と順番に描き込みながら、それぞれのパーツでさらに細かくレイヤーを分けていく。上から下に体を描いていくことで、レイヤーが上から下に振り分けられていくのも効率的だ。

 フチ取りを終えたところで今度は「rahu2」という新しいレイヤーセットを作り、「rahu」全体の透明度を下げ、下絵同様の「下敷き」にする。やはり同じ手順でそれぞれのラフを描き進めていく。

フチ取りで体全体のバランスが決まったら、ふたたび新たなレイヤーセットを作成。フチ取りの線の透明度を変更し、今度はそれぞれの部位のラフを描いていく

 ちなみにこの段階で、網野さんが使用しているショートカットはごくわずか。「これだけで出来るの?!」と驚いてしまうが、「鉛筆(N)」「消しゴム(E)」「選択ペン(A)」「画面の回転(Alt+スペース+ドラッグ)」「画面の拡大(Ctrl+スペース+クリック)」「画面の縮小(Ctrl+Alt+スペース+クリック)」のたった6つだ。

基本動作はほぼ鉛筆と消しゴムのみ(!)。何度も書いては消してを繰り返し、描きたい構図を描いていく

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