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四本淑三の「テレビを捨てよ、動画サイトを観よう」 第8回

iPhoneでメロトロンが弾ける「マネトロン」作者に聞く

2009年06月21日 14時00分更新

文● 四本淑三

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こんなニッチなiPhoneアプリは儲かるの?


―― アプリの開発もご自身で?

山崎 いえ。知り合いのプログラマーに頼みました。儲けは山分けということで。


―― 儲かってますか?

山崎 いやー、全然(笑)。でも最初は全世界で500人くらい分かってもらえたらいいと思っていたので、それよりは多くの人に受け入れてもらってます。海外より国内のダウンロードが多くて不思議なんですが。


―― iPhoneアプリと言うと、そこが世間的な関心事でもありますよね。輸出産業が以前のレベルに回復しないとすれば、こういうもので細かく外貨を稼ぐしかない。

山崎 でも比率にすると国内が6割くらい。北米で2割くらいですね。


―― うーん。国内に関しては日本人はテルミンも好きだし、こういう奇天烈系の楽器がウケるってことでしょうか?

「iPhoneアプリで週末起業」著:山崎潤一郎

山崎 海外向けのプロモーションの問題はあると思います。僕があまり英語が得意じゃないので。そういえば今回アプリを作った理由の一つに、本(「iPhoneアプリで週末起業」)を書くという目的もありました。自分で開発から公開までを経験してみたい、と。それで、どうせアプリを作るなら、思いっきり趣味に走ってやれって思ったわけですね。


―― おっ、さすがプロ。

山崎 本とアプリはまったく別にスタートしたのですが、アプリの開発を進めていくうちに、実体験的なネタとして面白いと思うようになりました。たとえば海外向けのプロモーションであったり、商標等権利関係、納税者番号申請のあたりの苦労話ですね。


―― 納税者番号の取得は、色々と事情があってややこしいと聞いていますけど。

山崎 はい、ありますね。書籍にはそのあたりの「事情」も包み隠さず書いてあります。


―― 分かりました。ここに書くとネタバレになるので、皆さんぜひ本をお買い求めください(笑)。ところで、この本の表紙にある「5000万円稼いだ人もいる!」というのは「PocketGuitar」*1の笠谷さんのことですか?

山崎 はい。作者の笠谷真也さんに取材させていただきました。うらやましいと思いましたし、ひょっとして僕にもできるかもと思いました。


―― なのに、こんなニッチなものを作ってしまったのは?

山崎 やっぱり自分で萌えるものでないと力が入らない。それに、今さら万人ウケする普通のアプリを作っても、四本さんも作者を取材しようなんて思わないでしょ? 僕の趣味につきあってくれたプログラマーには感謝してます。


―― 楽器にもスタッフにも愛がなければ成り立たないということですね。今日はありがとうございました!

*1 日本発のiPhone/iPod touch向けギターアプリ。50万ダウンロードを超える大ヒットとなった。

四本 淑三(よつもと としみ)

1963年大分県生まれ。武蔵野美術大学デザイン情報学科講師。高校時代に音楽雑誌へ投稿を始めたのを契機に各種のコンテンツ制作や執筆作業に関わる。最近流行っているのがUStremを使った遠隔セッション。ある晩、ネットで有名なミュージシャンが一度に集まってしまい、ものすごい展開に。これを身内だけで楽しむのはもったいないなあ……ということでニコニコ生放送の番組「高円寺ストリーミング ガジェ音」を企画しました。ガジェット通信チャンネルで、7月3日(金)午後8:30ぐらいから、大体1時間半に渡って放送される予定。よろしくー!

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