一時期の過熱報道は落ち着いたものの、世界的に見ると冬を迎える南半球で流行の兆しが見られ、パンデミック(フェーズ6)への引き上げも議論されるようになった新型インフルエンザ。その対策が企業ではどの程度進んでいるのか、ニュートン・コンサルティングがインターネット上で危険度診断テストを実施し、調査結果を発表した。
この調査はビジネスパーソンを対象に「新型インフルエンザ感染危険度診断テスト」として実施し、回答を集計したもの。実施期間は世界的大流行の直前である3月18日から、国内の感染などが発生した5月15日まで。有効回答数は216名。
企業規模を問わず、組織としての対策は比較的進んでいるものの(比較的安全は20%超に対して、かなり危険は10%程度)、個人の対策はまだ浸透していないことが分かる(比較的安全は10%程度で、かなり危険は40%超)。会社として新型インフルの感染予防などの啓発、うがいや手洗いの励行など、対策は行なわれているものの、会社を出た個々人の意識はそれほど高くない、というのが実情のようだ。
企業規模別にみると、大企業ほど海外への出張や海外拠点との人材交流といった、危険要素が高いことが分かる。とはいえ大企業では中小企業、小規模企業に比べて対策も進んでおり、組織としての危険度は小規模企業ほど高くなる。
個人レベルの意識は、企業規模にかかわらず低い(かなり危険がいずれも60%超)。感染後の潜伏期間に出社してしまえば、会社内で流行させてしまう危険もある。日本はこれから梅雨の時期を迎え、インフルエンザの流行は沈静化するものと思われるが、次の秋から冬にかけて、再流行が懸念されている。家庭内でも意識の共有や、うがい・手洗いの励行などは実施すべきだろう。