Core i7はポイントリリーフ?
本命はLynnfieldのXeon 3000シリーズ
長い前書きが終わったところで、Xeonのロードマップを説明しよう。今回もCore 2世代以降のロードマップとさせていただく。なお、Core 2が登場するちょっと前から、Xeonの製品名のルールが整理されて、以下のようになっている。
- Xeon UP
- Xeon 3000シリーズ
- Xeon DP
- Xeon 5000シリーズ
- Xeon MP
- Xeon 7000シリーズ
この区分に加えて、アーキテクチャー別に100の位が変わり、さらに動作周波数や機能別に、1~10の位が変化するという構成になっている。
まずはXeon 3000シリーズからだ。このセグメントは基本的にデスクトップ向けがほぼそのまま利用されており、ほぼデスクトップ向けと同じタイミングで、同一スペックのCPUが名前だけ変えて投入されている。まずは65nmのCore 2 Duo(Conroe)相当が、2006年に「Xeon 30xx」として投入され、次に65nmのCore 2 Quad(Kentsfield)相当が、2007年に「Xeon 32xx」として投入された。
2008年には45nmプロセス世代に移行。それぞれ「Xeon 31xx」(Wolfdale)シリーズと「Xeon 33xx」(Yorkfield)シリーズとなっている。
これに続き、2009年4月にはCore i7相当のプロセッサーが「Xeon 3500」(Nehalem)として投入されている。さて、問題はこの次だ。
第2回に掲載したロードマップで見ると、本来この3000シリーズは「Foxhollow」プラットフォームが使われるはずである。つまりCore i5/i3向けのLGA1156ソケットを使うのが本来の姿で、Core i7の流用はワンポイントリリーフに終わると思われる。おそらく2009年後半(8~9月?)には、Lynnfield(Core i5)ベースのXeonが登場して、これに置き換わると考えられる。
以上がXeon 3000シリーズの上位モデルとなる。下位モデルは2010年1月あたりに、Clarkdale(Core i3)ベースの2CPUコア+GPU統合版がリリースされると思われる。名前のつけ方からして、おそらくこのClarkdaleベースのものがXeon 34xxとなり、LynnfieldはXeon 36xxになると思う。だが、ひょっとするとXeon 35xxを使い続ける可能性もないとは言えない。
(次ページへ続く)
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