最近、ネットでパソコンによる音楽制作(DTM)がアツい。
ここ数年でYouTubeやニコニコ動画、MySpaceといった作品発表の場が増えたこともあって、DTMを楽しむ人の多くが自分で作った曲をネットで公開するのが当たり前になってきた。そして、「初音ミク」に代表されるボーカロイドシーンや、DJ/ダンスミュージックといったクラブカルチャーが大いに盛り上がりを見せている。
DTM自体が手軽に始められるようになったことも、この流れを後押ししている。パソコンが一般に普及し始めた頃、DTMを始めるためには音楽的知識や難解な作業を必要とされていたので、初心者にはややハードルの高い部分があった。
しかし、近年ではめざましくテクノロジーが進化したおかげで、最小限の機材とパソコン、ソフトさえあれば、だれにでも簡単に曲作りが可能となっている。
中でも、特に初心者にも優しく、ソフトを使いこなせばプロクオリティーの本格的なサウンドも作れる音楽制作ソフトが「GarageBand ’09」だ。残念ながら(?)Mac専用のソフトだが、これがMac本体ごと買っても損はしないほど、初心者に向いている。
本連載では、そんなGarageBandを100%楽しみ尽くすための糸口となる活用方法をまとめていこう。初回は、これから音楽制作をする際に必要な機材や、曲作りを始める前の準備について説明する。
「打ち込み」「宅録」 両方オッケー!
GarageBand ’09は、アップルのマルチメディアスイート「iLife ’09」に含まれており、プロを含む数多くのユーザーが音楽の演奏と録音に使っている。
何といってもすごいのが、GarageBand ’09には、音楽フレーズ(ループ)や効果音やジングルといった音楽素材が、あらかじめ数GBぶん含まれていること。例えば、楽器をいっさい持ってなくても、画面上でドラム、ベース、ピアノといったループを選んで、組み合わせていくだけで曲ができ上がってしまう。
もちろん、生音を使う「自宅録音」も可能だ。ボーカルやギター、キーボードといった歌唱/演奏をテープレコーダー感覚でMacに録音して、オリジナル曲を作り上げることもできる。
「自分の演奏に磨きをかけたい!」という人には、レッスン機能(洋楽アーティストによる有料レッスンもあり)がピッタリだ。「当方ギター、ほか全パート募集中!」という人なら、ジャンルを選ぶだけでプロ級のバンドとのジャムセッション(合奏)を楽しめる「Magic GarageBand」が楽しめるだろう。
音楽ユーザーのさまざまなニーズに応えてくれるので、ここで自分の制作スタイルを見つけて、必要であればプロ向けソフトにステップアップしていける。まさに入門にはぴったりの一本なのだ。
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