プレデターになった気分で温度変化を凝視!
今回の室温は26.5℃、湿度は45%。電源ユニットの16-17ピンをショートさせ、10分動作させた後、カバーを外して撮影を行った。ファンを回した状態と停止した状態の2パターンを計測している。なお、この計測は研究施設の機材をお借りしただけで、厳密な環境の下で計測したものではない。温度はあくまで参考程度として見てもらいたい。
通電前の温度分布
まずは、通電前、つまりACコードを繋いだだけの状態(スタンバイ状態)の様子を見てみよう。ピンク一色で何も映っていないと思うかもしれないが、これは計測対象の温度分布が一定なためで、むしろ計測するには理想的な状態と言える。黒く塗装した甲斐があったのだ!
ファンを回して10分通電後の温度分布
続いて電源ユニットのファンが回る状態で、10分間通電した場合の温度分布を見てみよう。温度の範囲は20~36℃に設定しているため、白く光る部分は36℃を超えていることを意味している。全体的に暗いEES500AWTに対して、某社の500W電源はオレンジ~白くなっており、温度が高いことが分かる。
ファンを停止して10分通電後の温度分布
一旦電源を冷まして通電前の温度分布に戻した後、次はファンを停止させた状態で10分通電した。こちらは、さらに温度の差が広がっており、某社の500W電源は、かなり白くなり熱いことが分かるのに対し、EES500AWTは赤みがかったところを多く残している。電源を入れただけの無負荷状態とはいえ、これだけ差が出るとは驚きだ。
騒音と温度を調べてみて……
ENERMAX「EES500AWT」の温度分布をみると、ファンがしっかり電源内部を冷却していることが分かるが、それ以上に、ファンを停止した状態でもさほど高温になっていないことに驚かされる。このことから、ENERMAX「EES500AWT」は非常に変換効率が高い電源だと考えられる。電源ユニット自身の発熱が低いため、ファンの回転数を上げなくて済むことが、ファンの静音性を高める要因になっているとも言えるだろう。
騒音と発熱については、かなり優秀な電源だということがわかった。さて次頁以降では、瞬間停電試験、サージ耐圧試験、圧力耐久試験から、この電源の性能を丸裸にしてみたい。
(次ページへ続く)