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ENERMAX ECO80+シリーズを研究所で徹底解剖!

2009年04月25日 20時00分更新

文● KONG

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 ENERMAXと言えば、自作PC市場にていち早く単体で販売される「電源ユニット」のブランドとして浸透した老舗メーカーなのは、皆さんもご存知だろう。登場しては消えていくブランドが多いなか、ENERMAXが今も店頭の一角を占めているのは、同社の堅実なモノ作りが評価されているためだ。
 過去、電源ユニット業界はCPUやGPUほどではないにしろ、様々な転換期を乗り越えてきた。最初の転換期は、ATからATXへ移行したとき。次にPentium 4対応(ATX12V)、そして2000年以降続く静音性、ここ数年ではPCI Expressの補助電源やSerial ATA対応などがあり、ENERMAXは、時代に合わせて電源ユニットを世に送り出してきた。

 そして今の時代に求められているのは「エコ」だ。このエコにはいろいろな意味があるが、効率を高める「80PLUS認証」という一つの指標ができたことにより、今やこれに対応していないと売れないという時代となってきた。逆を言えば、それまで各メーカーが独自に「省エネ」とか「エコ」と謳っていたが、単純比較するためのモノサシがなく、単なる「ラベル」の一つでしかなかった。しかし、80PLUS認証という明確なモノサシが出来たことにより、我々は細かな数字や誇張を気にすることなく、エコな電源ユニットを手にできるようになったというわけだ。
 80PLUS認証が発表された当時は、技術的よりもコスト面のハードルが高く、どちらかと言えば容量の大きなハイエンド製品に多く採用されていた。が、現在ではかなりコストダウンが進み、400W級の製品にも80PLUS認証が付く製品が増えてきている。
 ENERMAXも、当然この流れを追い、「ECO80+シリーズ」を発売した。発売以降、店頭でもっとも売れる電源ユニットの一つとなっており、迷ったらENERMAXという神話は今も健在のようである。

【80PLUS】認証を取得したECO80+シリーズ

 さてECO80+シリーズのラインナップは、EES350AWT(350W)、EES400AWT(400W)、EES500AWT(500W)、EES620AWT(620W)の4つで、実売価格はEES350AWTが8000円前後、最上位のEES620AWTが1万5000円前後で販売されている。確かに非80PLUS認証の電源ユニットに比べると、やや高価ではあるが、80PLUS認証電源としては、中堅どころの価格設定だ。

ECO80+シリーズの電源は、静音・冷却・耐熱に優れたENERMAX純正MAGMAファンを搭載している

 前置きが長くなったが、ここからが本題。電源ユニットのテスト言えば、普通は音(静音性)と、どのくらいのデバイスが繋げられるかという負荷テストを行なうものだが、今回は、さまざまな試験機関の協力により、普段実施できないようなテストを行なってみた。テスト項目は以下の5つだ。

・無響室での騒音値測定
・サーモグラフィによる温度変化
・瞬間停電試験
・サージ耐圧試験
・圧力耐久試験

 最後の圧力耐久試験は、この電源ユニットが物理的に何トンの重さまで耐えられるか、というもの。本来の電源ユニットの性能には全く関係のないテストだが、試験場に「圧力耐久試験機」があるというので、どのくらい耐えられるものか、試してみた次第だ。テスト前に代理店にお伺いを立てたところ「壊してもいい」との許可を頂いたので、遠慮なく「ぶっ壊す」ことになった。
 では、試験の結果の様子を見ていただこう。

(次ページへ続く)

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