ペンタックス(株)は16日、コンパクトデジタルカメラ“オプティオ”(Optio)シリーズの新製品3機種を発表した。価格はいずれもオープンプライス。3月上旬から順次出荷を開始する。
オプティオ T10 |
オプティオ W10(コアブラウン) | オプティオ M10 |
3インチ液晶パネル&感圧式タッチパネル搭載
――オプティオ T10
T10の背面と、お絵かきモードの編集画面 |
『ペンタックス オプティオ T10』は厚さ19.5mmの薄型機で、背面に感圧式タッチパネルと3インチ(約23万画素)の液晶パネルを搭載。指やスタイラスで画面のアイコンに触れることで、撮影設定の変更や、撮影した画像の編集などが行なえる。主な操作をタッチパネルとしたことで、ボタン類の少ないシンプルな操作体系となっており、背面にあるボタンは再生モードに入るための矢印ボタンとメニュー表示用のボタンのみとなっている。
再生モード時で利用できる“お絵かき”モードでは、付属のスタイラスで手書きの文字や絵を描き込めるほか、フレーム合成や登録されているイラストの貼り付け、トリミングや彩度/色彩の変更といった簡単な画像編集が行なえるようになっている。
撮影機能としては“オプティオ S”シリーズを継承しているが、動画形式にMPEG-4が選択できない(Motion JPEG形式のみ)など一部変更が見られる。上下に分割したアルミパネルを本体の中央で合わせ、コネクター類を左右に振り分けて銀メッキのふたをかぶせることで、パーツの継ぎ目を意識させないようにするなどデザインにもこだわった。アルミパーツは国内では上部がシルバー、下部がホワイトとなっているが、部品を交換することでデザインのバリエーションを豊富にできるという。
撮像素子は1/2.5インチの原色CCDで、有効画素数は600万画素。静止画サイズは最大2816×2112ドット(JPEG形式)。動画サイズは最大640×480ドット(AVI形式、毎秒15/30コマ)。レンズは同社独自の“スライディング・レンズ・システム”を採用し、ズーム倍率は光学3倍。焦点距離は6.2~18.6mm(35mmフィルム換算で37.5~112.5mm相当)、開放F値は2.7~5.2。記録メディアはSDメモリーカード。12MBのフラッシュメモリーも内蔵する。
本体にはUSB 2.0(High Speed)とAV出力端子を装備。画像管理ソフトの『ACDSee for PENTAX』が付属する。本体サイズは幅95×奥行き19.5×高さ58.5mmで、重量は135g(本体のみ)/155g(装備重量)。電源は専用リチウムイオン充電池(D-LI8)で、バッテリー寿命は静止画撮影枚数は約130枚(CIPA測定基準)、再生時間が約90分。予想販売価格は4万5000円前後で、3月中旬に発売する。
スタイリッシュな防水カメラが大画面化
――オプティオ W10
『ペンタックス オプティオ W10』は、昨年9月に発表された『オプティオWPi』の後継製品で、“リノシルバー”(lino:ハワイ語で光り輝く)、“ナルグリーン”(nalu:同じく波・よせ波)、“コアブラウン”(koa:ハワイ原生の樹木の名称)の3色のカラーバリエーションが選択できる。
3色のカラーバリエーション。左から順にリノシルバー、ナルグリーン、コアブラウン |
従来機と同様に、水深1.5mで連続30分間撮影可能なJIS保護等級8級の防水性能(水中防水型)とJIS保護等級5級の防塵性能(防塵型)に対応。同時に背面の液晶パネルを従来の2.0インチから2.5インチに大型化した。
顔認識AF&AE |
動画性能、回路、外観などを刷新。新たに電子式の“動画手ぶれ補正”に対応。640×480ドットで毎秒30コマ(Motion JPEG形式)の撮影が可能。動画撮影中にフル画素での静止画撮影もできるほか、設定変更により、動画撮影時のオートフォーカスや光学ズームの使用なども可能になった(従来機はパンフォーカスのみ)。CCDからA/Dコンバーターまでのノイズ源を減らすことにより、画素混合なしに、シーン撮影モードの一部(“キャンドルライト”と“CALS”モード)でISO 800相当の高感度撮影に対応。“ポートレート”、“セルフポートレート”、“美肌”の各モードでは、人物の顔を認識する“顔認識AF&AE”のアルゴリズムを使用し、ピントの中抜けを防止したり、逆光時に顔の部分を自動的に明るくするといった画像処理を行なえるようになった。本体は大型の液晶パネルを搭載したことで、高さが3mmほど増えた。
コンティニュアスAFや約0.6秒での高速起動、最短1cmのマクロ撮影といった従来機の特徴は継承。一度削除した画像を復活できる“削除画像復活機能”はこれまで電源オフにすると無効になっていたが、今回から一度電源をオフにしてもカードの状態が変わらない場合には利用できるようになった。
撮像素子は1/2.5インチの原色CCDで、有効画素数は600万画素。静止画サイズは最大2816×2112ドット(JPEG形式)。動画サイズは最大640×480ドット(MOV形式、毎秒15/30コマ)。レンズは屈曲式の光学3倍ズームで、焦点距離は6.3~18.9mm(35mmフィルム換算で38~114mm相当)、開放F値は3.3~4。記録メディアはSDメモリーカード。10.5MBのフラッシュメモリーも内蔵する。
本体にはUSB 2.0(High Speed)とAV出力端子を装備。画像管理ソフトの『ACDSee for PENTAX』が付属する。本体サイズは幅106.5×奥行き23×高さ54.5mmで、重量は140g(本体のみ)/155g(装備重量)。電源は専用リチウムイオン充電池(D-LI8)で、バッテリー寿命は静止画撮影枚数は約240枚(CIPA測定基準)、再生時間が約240分、動画撮影時間が約80分。予想販売価格4万円前後で、3月下旬に発売する。
長時間駆動が売りの“旅カメラ” ――オプティオ M10
『ペンタックス オプティオ M10』は、単3乾電池2本で駆動するエントリーモデルで、幅89×奥行き24.5×高さ59.5mm、重量120g(本体のみ)/165g(装備重量)とコンパクトな本体を採用。低電圧でも安定した動作が行なえる設計とすることで、アルカリ乾電池使用時で約220枚、リチウム一次電池利用時では約900枚(ともにCIPA測定基準)の長時間使用にも耐えられるようにした。
エントリー機ながら、上位機の基本性能を受け継いでいる点も特徴で、撮像素子は1/2.5インチの原色CCDで、有効画素数は600万画素。静止画サイズは最大2816×2112ドット(JPEG形式)。動画サイズは最大320×240ドット(MOV形式、毎秒15/30コマ)。2.5インチの微反射型TFT液晶(約11.5万画素)、コンティニュアスAF機能なども装備する。
グリーンモード | 通常モード |
一方で、シンプルな操作性も追求しており、簡易撮影モード(グリーンモード)時の表示要素を電池残量や残り撮影枚数など最小限にして、文字を大きくしたほか、米イーストマン・コダック社が提唱するパソコンレスの印刷システム“イメージリンク プリントシステム”に対応するためのアダプター(ドックインサート)を同梱して、コダック製のフォトプリンターを利用したパソコン/ケーブルレスの写真印刷も可能になった。
レンズは沈胴式の光学3倍ズームで、焦点距離は5.8~17.4mm(35mmフィルム換算で35~105mm相当)、開放F値は2.8~4.9。記録メディアはSDメモリーカード。22MBのフラッシュメモリーも内蔵する。パソコンとのインターフェースはUSB 2.0(High Speed)。予想販売価格3万円前後で、3月上旬に発売する。