オリンパスの「i:robe」は、デジタルカメラ「IR-500」をコアとした統一コンセプトの画像機器だ。IR-500とハードディスクストレージ「S-HD-100」、フォトプリンタ「P-S100」の3つの機器で構成されており、いずれも透明感のある白いボディのデザインが特徴となっている。
液晶パネルを前面に装備
写真1、2、3 「i:robe IR-500」の液晶モニタのヒンジ部は二重構造になっているので無理なく、大きく回り込むのは面白い。 |
IR-500は屈曲光学系を採用した光学2.8倍ズームレンズを採用した400万画素機。透明感のある白い塗装によるフロントパネルなど、同社が1991年に限定生産した35mmコンパクトカメラ「Ecru」(O-PRODUCT第2弾)のようなコンセプトの新しさが光る。
前面パネルを下方向に開けば電源ONとなり、そのまま本体下側を回り込んで背面側にすれば普通のデジタルカメラのように利用できる。また、液晶を開いた残りの部分は前にせり出して指掛かりとなるため、いわゆるコンパクトスタイリッシュ機としては破格にいいグリップ感となっている。
写真4 右のIR-500の下にあるのがHDD「S-HD-100」(実売約3万円)。クレードルと共に装着すると画像データを一括してHDDに転送することが可能となる。左が昇華型熱転写プリンタ「P-S100」(実売約2万円)。 |
プログラムオートとシーンプログラムが中心の操作性ではあるが、露出補正やマクロ、スーパーマクロ(3cmまで近接)なども用意されているので機能に不足はない。さらに動画撮影時には電子式手ブレ補正機能も搭載する。このほか撮影した画像をカレンダーのような画面で日付別に管理できる画像ビューアなども目新しい機能だ。
実際に使ってみると、デジタルカメラとしては奇抜な印象を受けるデザインにもかかわらず、ホールド感を含め使い勝手は悪くなく、液晶を90度に倒せばウェストレベルやローアングルでの撮影も可能だ。その際に自分撮りもできるが、シーンモードを「セルフポートレート」にしないと液晶画面が上下反転しない。自動で反転する機能が付いていないのは疑問が残る。また、自分撮りにするときは液晶が本体下に位置するため、液晶を前に向けたまま平らなところに置いて構図を決めるときに自立させにくい。回転機構の構造から三脚孔がないのがやむを得ないところもあるが、なんらかの対応が欲しかった。
画像に関しては、同社製品の特徴である濃い目の発色と控えめの彩度強調が特徴的だ。
全体を640×480ドットにリサイズ | 中央部を640×480ドットでトリミング | |
写真5 撮影サンプル。一見地味に見えるものの不自然さは少ない。モードダイヤルでVIVID(鮮やかオート)を選べばさらに発色が強調される。 |
統一コンセプトの周辺機器
S-HD-100は40GB容量のHDDを内蔵するストレージで、本体上面にIR-500用クレードルを載せることができる。さらに、解像度306dpiの昇華型熱転写プリンタのP-S100と直接接続も可能だ。
いずれの機器もIR-500と併用しなくても利用可能な機器ではあるが、このように統一デザインでまとめられた機器というのは使ってみると楽しいのは確かだ。やや突飛なデザインとはいえ、デザインと周辺機器によって“スタイリッシュ”を演出し、本体の使いやすさをなるべく損なわないようにしたという点では高く評価できるだろう。
i:robe IR-500の主なスペック | |
製品名 | i:robe IR-500 |
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撮像素子 | 有効400万画素 |
焦点距離 | 40~112mm相当 |
開放F値 | F2.8~4.8 |
出力サイズ | 最大2288×1712ドット |
記録メディア | xDピクチャーカード |
記録形式 | JPEG |
液晶モニタ | 2.5型半透過型TFT(20万画素) |
電源 | リチウムイオン充電池 |
サイズ(W×D×H) | 95×26.7×71mm |
重量 | 172g |