JALグループは5日、都内のホテルで記者会見を開催し、非接触ICを搭載したJALマイレージバンク(JMB)カード、JALカードを今年の冬をめどに発行し、予約・決済から搭乗までより簡素化したチケットレスサービスを展開していくと発表した。今年の冬から発行予定のJALカードSuicaでも利用可能になるほか、IC内蔵携帯電話(iモード Felicaサービス対応携帯電話)へもサービス利用の機能を提供していくとしている。
(株)日本航空インターナショナル執行役員国際旅客事業マーケティング企画室長の斉藤俊一氏。「ITの進歩にともなう顧客とのダイレクトコミュニケーションをテコに、ウェブサービス、マイレージプログラムの強化を図ってきた。おかげさまでマイレージ会員は1600万人になった」 |
(株)日本航空ジャパン国内旅客事業マーケティング企画室企画部部長の平田邦夫氏。「2005年にはIC機能付カードや携帯電話で搭乗する人は200万人くらいになるのではないか」 |
現在、インターネットや携帯電話を通して予約・チケット購入を行なう利用者の割合は、国内に限ると40%を超えているという。空港には有人カウンターのほかに自動発券機や2次元バーコードを使った携帯電話用の発券機も用意されるようになったが、いずれも搭乗券(ボーディングパス)が介在し完全なペーパーレスは実現できていない。今回のサービスは有人カウンターや発券機に立ち寄る必要がなく、非接触ICカードや携帯電話を持っていれば、セキュリティーゲート、搭乗ゲートの専用端末にかざすだけでそのまま搭乗することができるというもの。(株)日本航空ジャパン国内旅客事業マーケティング企画室企画部部長の平田邦夫氏は「現在考えられる最も簡素化された搭乗手続き」と強調する。ただ、利用者が機内で自分の座席番号が何番であったかを忘れてしまう可能性がある、携帯電話は機内で使用できず情報を確認できないなどの混乱を避けるため、セキュリティーゲートのところでは登場ゲート、便名、座席番号を記した簡単な控えがプリントアウトされるようだ。
対象となるカードはJALマイレージバンク(JMB)カード、JALカードほかJALカードSuica、iモード Felicaサービス対応携帯電話 |
また、同社では「従来からマイルの特典の使い勝手を良くしてほしいとの声が多くあった」として、自分のマイルを“IC利用クーポン”に切り替えるサービスも開始するという。空港で設置予定の専用端末で切り替えることにより、市内のJAL系列ホテルやJALプラザでの買い物も可能。順次空港内の売店にも展開予定だ。対象は1万マイルからとなる。
これまでのようにボーディングパスを発券する必要がない。ICカードをリーダーにかざすだけなのに予約から搭乗までスムーズに手続きを済ませることができる |
先日発表になったJALカードSuicaについては、すでに発行される段階でIC機能が搭載されている。「このカードについてはSuicaを利用可能な駅でタッチ・アンド・ゴー、空港でも飛タッチ・アンド・ゴーが実現される。よりシームレスな旅行が可能になる」としている。
ICカード/携帯電話が使える場所には、このシールが貼り出される |
(株)日本航空インターナショナル執行役員国際旅客事業マーケティング企画室長の斉藤俊一氏によると、現在マイレージ会員は1600万人とのこと。「あまり知られてないが、ショッピングでもマイルがたまるJALカードについては、1枚あたりの年平均利用額は60万円強で、利用額においては日本で一番のカードになっている」と紹介。前述の平田氏も、ASCII24編集部の質問に対して「2005年にはIC機能付カードや携帯電話で搭乗する人は200万人くらいになるのではないか」と見通しを語った。
JALマイレージバンク(JMB)カード、JALカードの利用者は今年の冬から順次IC機能付のカードに切り替えてもらい、実際のサービスは来年早々にはじまる予定。当面は羽田空港が対象となる。
「私はよく空港で雑誌を買うんですけど、(空港の売店で使えれば)小銭を出す手間がはぶけますね」と話す矢田亜希子さん |
記者会見後半には、同社のCMにも出演しているタレントの矢田亜希子さんが登場。前回の記者会見には白のジャケットで現われたが、今回は大人っぽい黒。髪もショートカットにしてちょっとイメージが変わった矢田さんは「私はよく空港で雑誌を買うんですけど、(空港の売店で使えれば)小銭を出す手間がはぶけますね」とコメント。また、会場に用意された非接触ICカード対応の搭乗ゲートにマイレージカードをかざす実演をしながら、「機内に入る時はバタバタしちゃうことが多いので、とても便利だと思います」と話した。
会場に用意されたゲートでの実演も行なった。「もっとゆっくり歩いて!」「カード見えるように!」など大勢のカメラマンから押し寄せる注文に「だって、こうかざすのが正しいんだも~ん」とちょっと困惑するシーンも |