エンコードするならXeonがおトク
まとめると、デュアルNoconaマシンの速度は、シングルスレッドのアプリにおいては同クロックのPrescott相当の性能で、マルチスレッド化されたアプリに対しては、最高80%ほども高速になる、ということになる。
したがって、Nocona Xeon 3.6GHzを買えば、3DゲームのようなシングルスレッドアプリでもPrescott Pentium 4-3.6GHzマシンと同等、マルチスレッド対応アプリなら2倍近い性能というモンスターマシンを作れることになる。ただ、Xeon 3.6GHzは1個10万円。デュアルにしたら、マザーとCPUだけで25万円コースだ。
ベンチマークで使った3.2GHz品なら、1個6万円弱。2つ買うとなるとPrescott 3.6GHz(8万円弱)よりはかなり高くなるうえ、シングルスレッド系はクロックが低い分遅くなるので、高速CPUを生かす目的が主に3Dゲームの快適さの向上である場合には、現状ではXeonよりPrescottのほうがいいということになる。しかし、マルチスレッドに対応したエンコーダであれば、3.2GHzデュアルでもPrescott 3.6GHzよりはるかに高速だ。
ことWMVとTMPGEncについては、Xeonは3GHz、あるいは2.8GHzまで落としても、Prescott 3.6GHzを余裕で上回るのは確定的だ。Xeon 2.8GHzならCPUは1個3万円弱、2つ買ってもPrescott 3.6GHzより安い。最速Prescottよりずっと速いマシンをより安く作れるという、画期的なストーリーになる。現実にはEPS12V対応の大容量電源の購入や、マザーボードが4万円以上するといった追加経費を考えると、Prescott 3.6GHzより安いかどうかは微妙だが、WMVとTMPGEncに関してはぐんと快適に使える。エンコード用途には、Nocona登場で「新たな最高速CPUが登場した」と言えるかもしれない。