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マイクロソフト、『Microsoft Windows Storage Server 2003』の販売体制の強化を発表

2004年01月23日 00時00分更新

文● 編集部 内田泰仁

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マイクロソフト(株)は22日、ストレージシステム向けOS『Microsoft Windows Storage Server 2003』の日本市場での展開について、パートナー企業との協業と、専任の営業チームの設立により、販売体制を大幅に強化すると発表した。この発表に併せ、都内にて『Microsoft Windows Storage Server 2003』の製品と戦略の解説、およびパートナー企業の取り組みに関するプレス説明会が開催された。

『Microsoft Windows Storage Server 2003』の管理画面

パートナー協業の強化についてはより広範なユーザーニーズに応えるために幅広いソリューションを提供することを目的とするという。また同時に、同社内に専任スタッフ(現在3名)による営業チームを設立し(このチームにはWindows Server関連専門の技術担当者も必要に応じ参加するという)、パートナー企業と協力し、企業の情報管理/維持に合わせて、プラニングからシステム構築、運用、維持まで一貫性のあるソリューションを提供していくとしている。

また、すでに『Microsoft Windows Storage Server 2003』搭載製品の提供を発表しているアイオメガ(株)、イーエムシージャパン(株)、デル(株)、日本電気(株)、日本ヒューレット・パッカード(株)、(株)日立製作所に加え、台湾AXIOMTEK社(日本国内での販売代理店は報映産業(株))、米MaXXan Systems社(日本国内での販売代理店は(株)フライトシステムコンサルティング)、米Xtore Extreme Storage社、レイドシステクノロジ(株)の各社も新たに搭載製品を提供するという。

米マイクロソフト社、Windows Server部門ジェネラルマネージャーのクリス・フィリップス氏

この日の発表に合わせて開催された説明会では、米マイクロソフト社のWindows Server部門のジェネラルマネージャー、クリス・フィリップス(Chris Philips)氏が来日し、『Microsoft Windows Storage Server 2003』の製品と戦略の説明を行なった。

サーバーとストレージの統合を望む顧客の声ストレージ市場の変遷。ネットワークストレージ、特にNASの躍進が目立つ

同氏によると、現在のサーバー分野でのキートレンドのひとつは「サーバーとストレージの統合」だといい、この動きは米国を皮切りに欧州、そして日本にも広まっているという。中でも、NAS製品の普及は世界的に見てもめざましく、2003年6月にはDAS(Direct Attached Storage、直接コンピューターに接続するストレージ)への投資額よりもNASへの投資額のほうが上回ったという調査結果が紹介された。この理由としては、

  • ストレージをサーバーに集約することで統合化された管理が可能
  • 各環境に分散していたストレージを集約することで容量の有効活用が可能
  • データを共有することによりデータの有効利用が可能
  • シームレスな拡張性を持たせることが可能

を挙げている。

同社による“Windows Storage”戦略は、

  1. Windowsを最高のストレージプラットフォームにする
  2. カスタマーニーズに対処するためのパートナーエコシステムを構築する
  3. 新しいストレージソリューションを提供する

という3点を軸とするとしている。これを踏まえ、同社はWindows Storageプラットフォームの開発にあたって、

データ保護と復元
ボリュームシャドウコピーサービス(VSS、Windows Server 2003の全Editionに搭載)
相互運用性
仮想ディスクサービス(VDS)、SAN統合(Windows NTは元々SAN向けには設計されていなかったが、Windows Server 2003ではSAN統合を考慮)
可用性、拡張性、パフォーマンス
マルチパスIO、ファイルとシステムパフォーマンス
iSCSI(IP SAN)
iSCSI 1.0準拠、対応ハードウェアのWHQLプログラム

といったポイントに対して投資を行なってきているという。

Windows Server 2003の製品ラインナップ。『Microsoft Windows Storage Server 2003』はWindows Server 2003の専門分野特化版という位置付け『Microsoft Windows Storage Server 2003』の特徴と機能を示したスライド『Microsoft Windows Storage Server 2003』でマイクロソフトと協業するパートナー企業

これらを経て登場した『Microsoft Windows Storage Server 2003』は、同氏の説明によると「高い信頼性とシームレスな統合、高いコストパフォーマンスを提供するファイルおよびプリント用途に特化した専用サーバー」で、Windows Server 2000をベースとした『Windows Powered Network Attached Storage』の後継バージョンとなる。多目的利用向けのWindows Server 2003の各Edition(Web Editionを除く)に対して、専門用途向けのWindows Serverという位置付けで、クラスタリングやハイエンドSANに対応する上位版『Microsoft Windows Storage Server 2003 Enterprise Edition』と、スタンダード版『Microsoft Windows Storage Server 2003』の2ラインナップが用意される。

専用ファイルサーバーとして運用する例サーバーが複数あり分散してしまっているストレージを統合して運用する例ミラーリングによる複製と、フェイルオーバーを可能にしたシステム運用の例
『Microsoft Windows Storage Server 2003』の導入例を説明するスライド

国内パートナー企業も説明会に参加

この日の説明会には、『Microsoft Windows Storage Server 2003』搭載製品をリリースする各社も参加しており、各社の製品紹介や戦略説明などを行なった。登壇したパートナー企業は、アイオメガ(株)、イーエムシージャパン(株)、デル(株)、日本電気(株)、日本ヒューレット・パッカード(株)、(株)日立製作所、(株)フライトシステムコンサルティングの7社。

アイオメガ(株)、販売推進部部長の辻岡幹雄氏アイオメガのNAS製品ロードマップ。3月以降に『Microsoft Windows Storage Server 2003』搭載製品を出荷していくとのこと
イーエムシージャパン(株)、マーケティング本部本部長代理の宮治彦氏『EMC NetWin 200』。同社の『EMC CLARiX CX200』のハードウェアをベースに、『Microsoft Windows Storage Server 2003』と管理ソフトウェアをパッケージングしたNAS製品
デル(株)、エンタープライズシステムズマーケティング本部ストレージプロダクトマーケティングのマーケティングマネージャ、中村智氏デルのNAS製品、“PowerVault”シリーズの変遷。『PowerVault 775N/770N』からは『Microsoft Windows Storage Server 2003』搭載となった
日本電気(株)、コンピュータソフトウェア事業部第二コンピュータソフトウェア事業部長の岡田高行氏NECのNAS製品の展開。2003年10月より『Microsoft Windows Storage Server 2003』を国内に出荷している
日本ヒューレット・パッカード(株)、エンタープライズストレージ・サーバ統括本部ネットワークストレージ製品本部本部長の伊藤重雄氏日本HPのNAS製品の特徴と活用例を説明するスライド
(株)日立製作所、ユビキタスプラットフォームグループ・サーバ開発本部ネットワークサーバ開発部部長の勇恵一氏日立製作所のストレージ製品のコンセプトをラインナップを解説するスライド。“ユビキタス時代”の“情報ライフライン”を支える製品のひとつとしてネットワークストレージ製品を展開するという
米MaXXan Systems社の日本販売代理店である(株)フライトシステムコンサルティングの代表取締役社長、片山圭一郎氏米MaXXan Systems社の『MaXXan SG110m』および『MaXXan SG210m』。新規/既存のストレージをネットワークで接続し仮想ストレージとして管理することで、ストレージやサーバーの統合を可能にするというユニークな製品

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