PowerShot S40/S30は、同社の「IXY DIGITAL 200/IXY DIGITAL 300」を意識させるコンパクトなサイズとソリッドなデザインを採用しつつも、IXY DIGITALシリーズにはないマニュアル撮影などの豊富な機能を搭載するハイスペックなコンパクトデジタルカメラだ。S40が有効400万画素、S30が有効320万画素CCDを搭載する以外、外観やスペックはほぼ共通だ。
PowerShot G2の機能をコンパクトに凝縮
キヤノンのデジタルカメララインナップを見ると、スタイリッシュコンパクトデジタルカメラの「IXY DIGITAL 200」「同 300」と、入門機の「PowerShot A10」「同 20」があり、その上のクラスとなると機能充実の本格デジタルカメラ「PowerShot G2」になる。特に撮影機能に関しては、IXY DIGITALシリーズもPowerShot Aシリーズも露出補正以外はプログラムオートしか持っておらず、中・上級者にとっては、ポケットに入るくらいコンパクトでマニュアル撮影機能が充実したデジタルカメラが期待されるところだった。
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S40のボディは黒っぽいグラファイトグレーとなっている。フロントパネルのレンズカバーに指を掛ける突起があり、カバーをオープンして撮影する際にはホールドにもなる。 |
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S40の背面。液晶画面には撮影時のメニュー(MENUボタンを押して呼び出す)を表示している。液晶周囲のボタン類はPowerShot G1/G2と似通っている。 |
なお、デジタルズームはS40が3.6倍、S30が3.2倍であるほか、感度はS40がISO50/100/200/400相当だが、S30はISO50/100/200/400/800相当に設定できる。S30のほうが感度を高くできるのは、同サイズのCCDであれば画素数が少ないほうが1画素あたりの電荷容量が大きく、ノイズが少なくなる傾向にある(=感度を上げてもノイズの影響が少ない)ためだが、ISO100~200前後で撮影した画像を見る限りでは、画質にはほとんど差異はなかった。
大型の高機能デジタルカメラ並みの機能が盛り込まれているほか、「マイカメラコンテンツ」という面白い機能もある。S40/S30では、電源投入時に液晶画面にカラフルなPowerShotというロゴが表示され、起動音が鳴るようになっている(鳴らさない設定も可能)が、この起動画面と起動音のほか、終了時の画面と効果音、シャッター音、メニューなどの操作音、セルフタイマー音を自由にカスタマイズできるのがマイカメラコンテンツだ。
画面/音ともに3種類がカメラ内に登録されているほか、同社の専用サイト「Canon Image Gateway」(http://www.imagegateway.net)で無償提供(ユーザー登録が必要)される。画面は320×240ドットのJPEGファイル、効果音ならばサンプリング周波数11.025kHzもしくは8kHzのWAVEファイルを作り、付属ソフトでカメラに転送することもできるので、こだわりの銀塩カメラを持っているユーザーならば、フィルム巻き上げとメカニカルシャッターの音を自分で録音して登録するのも面白いだろう。なお、セルフタイマー音はシャッターが切れる2秒前から最大2秒の音が再生されるだけで、10秒間のカウントダウンを登録できないのは少々残念だ。
