キューブ型の流行に目もくれずブックサイズのベアボーンPCをリリースし続けるMSIから新作が登場。「Hermes-650PF」と名付けられたPentium 4対応ベアボーンPCは集積度の高さがウリの製品だ。
カバーを開けてみるとスッキリしており、一見しただけではとても集積度が高いようには見えないのだが… |
外部インターフェイス一覧 |
Hermes-650PFは、310(W)×345(D)×84(H)mmという小型サイズに、いまやベアボーンPCでもあまり見かけなくなったLPX仕様のオリジナルレイアウト“SiS650/SiS961”チップセット搭載マザーボード「MS-6535」を搭載する製品。インターフェイスがとにかく豊富で、SiS650内蔵ビデオ機能の出力にはD-Sub15ピンとSビデオ出力、コンポジット出力に加えてさらにDVI出力を用意。LPX採用ということで一般的なサイズに対応するPCIスロットが2つ、そしてドライブベイは5インチベイ×1、シャドウ×1のドライブベイにスリムFDDドライブと標準的だが、フロントパネル部にはPCMCIAカードスロット×2とメモリースティックスロット×1、USB×4、IEEE1394(4ピン)×1、同軸デジタル出力×1、ヘッドホン出力×1、マイク入力×1。さらに背面にはUSB×1、IEEE1394(6ピン)×1、RJ-45×1、アナログ5.1ch出力にシリアル×1、パラレ %k!_1と、一般的なブックサイズベアボーンと比較して可能性が広がっているのは見逃せないところだ。なおIEEE1394コントローラはNEC製。
フロントパネルを外したケース前面。TypeIIIにも対応するカードスロットが目を引く | 3.5インチHDD用のシャドウベイはカートリッジ式を採用しており、スクリューレスで固定できる | PCIライザも着脱可能だ |
フロントパネルを外すと姿を現すCPU冷却機構 |
この仕様を実現するため、CPUソケットの配置と冷却システムがユニークなものとなっているのも特徴で、Socket478はケース前面、スリムタイプFDDの直下に用意されている。標準で専用の銅製ヒートシンク採用CPUクーラー、そしてダクトが用意されており、フロントパネル側面に用意された4cm角吸気ファン×2と、ヒートシンク側面に取り付けられた4cm角吸い出しファンによってCPUの冷却を行う仕様だ。4cm角ファンを3基も搭載するとなると騒音レベルが気になるところではある。ちなみにエム・エス・アイ・コンピュータ・ジャパンでは、Delta製の200W SFX電源が搭載する8cm角吸気ファンとあわせて騒音レベルは40dB以下で、静音であるという。
同梱の銅製ヒートシンク採用CPUクーラーと、フロントパネルに取り付けられた吸気ファンによって冷却する仕様。なんとか6cm角ファンを搭載してほしかったところだ |
MSI製ベアボーンPCは“伝統的”に、立て付けはいい一方で一部に精度の甘い点を抱えることがあるのだが、今回は、CPUや3.5インチHDD、5インチドライブを取り付けるために一度取り外す必要のあるフロントパネルを填めるためのレールがそれに該当してしまった。一度組み上げてしまえば問題ないので、頻繁にデバイスの入れ替えをしないベアボーンPCとしての魅力を損なうものではないのだが、気には留めておいた方がいいだろう。
価格はコムサテライト2号店で3万3480円、フェイスで3万4700円、コムサテライト3号店で3万4780円。機能を考えれば十二分にお買い得な一品と言える。
電源やリセットケーブルがひとまとめになっているあたりを取ってみても、完成度は高い |