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PCG-GR9E

PCG-GR9E

2002年02月05日 13時50分更新

文● 別冊ASCII編集部・中西祥智

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引きずりこまれる!!
1600×1200ドットの大画面

キーボード、ポインティングデバイス、液晶パネル部の全景。
 PCG-GR9Eを最初に起動してまず驚くのは,その画面の広大さだ。15型で解像度が1600×1200ドット(UXGA)の画面は,使い切るのも難しいくらい広い。面積比にすると,1024×768ドット(XGA)の2.4倍になる。

 たとえばExcelのシートを全画面表示すれば,デフォルトのセルのサイズでV55セルの左半分まで表示できる。一方,XGAではN33セルの左半分しか表示できない。また,UXGAならWindows XPの32×32ドットのデスクトップアイコンを,たてに15個並べることができる。しかし,XGAでは9個しか並ばない。

 現に,この原稿はPCG-GR9E上でIEを3個開き,秀丸エディタを2個起動し,ウィンドウを合計5つ配置した環境で書いているが快適そのものだ。

 ただし,アイコンやタイトルバーの文字の小ささは少々気になる。FXのXGAの15型画面では,“マイ コンピュータ”アイコンの文字部分の横幅が,実測値で23mmとなる。しかし,GRでは15mmと,FXの約3分の2の大きさになる。どうしても小さくて見にくいというユーザーは,GRには15型液晶で解像度1400×1050ドットのPCG-GR7E(春モデルではPCG-GR7F)があり,春モデルでは14.1型液晶でXGA表示のPCG-GR3F/BPも追加されたので,そちらを選択すればいい。

 また,ソニーはGRが搭載する液晶ディスプレイについて,高解像度だけでなく高視野角も謳い文句にしている。バイオノートの他機種や他メーカーの機種の多くが視野角を公開していない中で,ソニーのWebサイト上には左右70度,上50度,下60度と視野角が明記されている。なお,液晶パネルのメーカーについては非公開だ。



ベンチ結果はまさしく
フラッグシップにふさわしい

GRの頭脳部分。右の緑のチップがMobile PentiumIII-M,左下が830MP,左上がNobility RADEON-D。ハイパーサーマルクーリング機構の下に入るのは,PentiumIIIだけだ。
 春モデルでは,上位2機種がCPUにTualatinコア(0.13μmプロセスで製造,512KBの2次キャッシュメモリ搭載)のMobile PentiumIII-M-1.20GHzを,チップセットにIntel 830MP,グラフィックスチップとしてカナダATI Technologies社製のMobility RADEON-Dを搭載する(ビデオメモリは16MB)。

 ベンチマークの詳細な全容については別冊ASCII No.4 P.115以降を参照していただきたいが,編集部独自のベンチマークプログラムでExcel 2002の処理時間を計測する「Excelベンチ」の結果は33秒で,今回レビューした11機種の中ではダントツの首位だった。ほかの10機種のCPUクロックがすべて1GHz以下ということもあり,まず順当な結果と言える。また,3Dベンチの結果も良好で,3DMark2000で3199という11機種中2位の結果をたたき出し,またQuake III Arenaでも毎秒83.1フレームでの描画が可能だ。GeForce2 Goグラフィックスチップを搭載する東芝の「Dynabook G3」には及ばなかった。
 GRの大画面とCPUの処理速度,描画速度をもってすれば,CADソフトなどの使用も十分可能だろう。実際に,ソニーの開発陣にはGRで設計を行なう人がいるという話にも,納得できる性能だ。



編集部オリジナルExcel2002ベンチの計測結果。解像度はいずれも1024×768ドット/6万色。PCG-C1 MXRはこの解像度では仮想デスクトップ表示になってしまうため、不利な結果となってしまっている。
3DMark2000の計測結果。解像度はいずれも1024×768ドット/6万色。「Quake III Arena」デモ版のベンチマーク機能(フレームレート測定)を利用したテスト結果。

 また春モデルでは,全モデルとも容量40GBのハードディスク(UltraATA/100)を搭載し,DVD&CD-R/RWコンボドライブ(DVD読み込み最大8倍速,CD-R/RW書き込み最大8倍速,CD-ROM読み込み最大24倍速)も標準装備する。PCG-GR9Eのハードディスクベンチでは,HDBENCHでリードが毎秒22.62MB,ライトが毎秒21.79MBと多機種を上回り,Sandra 2001のDrives Benchmarkでシーケンシャルリード/シーケンシャルライトともに毎秒20MBという最高値を残している。

 ちなみに,編集部で確認したPCG-GR9Eの搭載するハードディスクは東芝製の「MK4018GAP」で,回転数は毎分4200回転,平均シーク時間は13ミリ秒,2MBのバッファメモリを搭載している。軸受けは流体軸受けではなく,ボールベアリングだ。ただし,ソニーはハードディスクのメーカー名を公表しておらず,生産時期によっては変更されている可能性もある。

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