ソニー
オープンプライス
32万9800円(SonyStyle価格)
VAIOノートの新しいフラッグシップモデル「PCG-GR9/K」は、CPUにTualatinコアのMobile PentiumIII-1.13GHzを採用し、1400×1050ドット表示の14.1インチTFT液晶を搭載するなど、“DV編集や音楽CDの作成を楽しみたい”クリエイティブなユーザーのためのハイスペックマシンだ。すでに製品発表時(2001年7月17日)にレビュー記事を掲載しているが、今回はその時点では公表されていなかったハードウェアスペックの追加情報とベンチマーク結果を紹介しよう。
最新のハードウェアを盛り込んだ豪華なスペック
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Enhanced SpeedStepに対応するTualatinコアのMobile PentiumIIIでは、従来のMobile PentiumIIIのようにCPUの動作クロックをACアダプタ使用時とバッテリ駆動時で切り替えるだけでなく、Transmetaの低消費電力CPU「Crusoeシリーズ」のようにCPUクロックを負荷に応じて自動的に切り替えることが可能だ。電源のプロパティのSpeedStepの設定で「自動」という項目が選べるようになっている。 |
PCG-GR9/Kが搭載するCPUは、0.13μmルールで製造されたTualatinコアのMobile PentiumIII-1.13GHzである。クロック周波数が前モデルにあたる「
PCG-XR9Z/K」のMobile PentiumIII-850MHzから大幅に上昇しているのに加え、2次キャッシュは512KBと、デスクトップPC用のTualatinではサーバ用途を想定している「PentiumIII-S」と同じ容量のキャッシュメモリを搭載する。さらにチップセットには「i830MP」を採用しFSBクロックが133MHzに引き上げられるなど、CPUクロックの上昇だけでなく、システム全体でのパフォーマンスアップが図られている。
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PCG-GR9/Kのシャーシ。写真では下側がボディ背面となる。左下がCPUを冷却するための「ハイパーサーマルクーリング機構」部分。左上はバッテリパック、右上はコンボドライブをそれぞれ収納するスペースとなる。 |
そのほかのハードウェアについては、ビデオチップにATIの「Mobility RADEON-M」を採用し、ビデオメモリは8MBをチップに内蔵する。UltraATA/66接続されるHDDは30GBの容量を持ち、Windows 2000 Professionalがプリインストールされた約10GBのCドライブと、20GBのDドライブの2つのパーティションに分割されて出荷される。自分で作成したデータファイルなどはDドライブに保存するようにしておけばシステムのリカバリ時にも困ることはない。またWindows XP発売時には、Windows 2000とのデュアルブート環境も容易に構築できるだろう。光メディアドライブは8倍速書き込み、4倍速書き換えが可能なCD-RW/DVDのコンボドライブを搭載するなど、最新CPUに見合った豪華な仕様となっている。
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ハイパーサーマルクーリング機構を構成する金属ブロックを取り外すとMobile PentiumIII-1.13GHzとMOBILITY RADEON-Mを見ることができる。CPUが黄色く汚れているのは熱伝導シートを剥がした跡。 |