コンピュータ・アソシエイツ(株)(以下CA)は10日、ネットワーク管理ソフトウェア『NetworkIT(ネットワーク イット)2.0』の日本語環境に対応した英語版を発表した。4月中に発売する予定。
『NetworkIT 2.0』Managed Objects画面(一番外のウィンドウは別)。現在の状態が赤、黄、青の |
『NetworkIT 2.0』は、現在のネットワークのパフォーマンス、サービスレベル、さらには将来のネットワーク状態の予測まで行なう、ネットワーク管理ソフトウェア。CAには同種の製品として『Unicenter TNG』があり、『NetworkIT』は『Unicenter TNG』と同じフレームワークを利用しているが、『Unicenter TNG』がネットワークやe-ビジネスを支えるインフラを包括的に管理するのに対して、『NetworkIT』はネットワーク管理のみに機能を絞っている。
『NetworkIT 2.0』の最大の特徴は、その導入のしやすさだという。米コンピュータ・アソシエイツ社(Computer Associates International, Inc.)の開発した同製品を日本市場に投入する背景には、ネットワーク管理ソフトを導入したいが簡単にできるものはないか、というユーザーの声が高まってきたことがある。CAでは、『NetworkIT』はほかの同種の製品と比べて低価格で、またすべてGUIで操作できるため、初めてネットワーク管理ソフトを導入するという場合でも、簡単に環境を構築できるとしている。
製品は『NetworkIT 2.0』本体と『System Management Option』から構成される。本体を専用サーバーにインストールし、個々のサーバーに『System Management Option』をインストールする。
主な機能は以下のとおり。
- AI(人工知能)“Neugents”が、ルーターやスイッチなどからの情報を得て過去の傾向を学習。それらをもとに、ネットワークに問題が発生する確率を予測する
- これまで、ある業務に関連したシステムをチェックする場合、データベース、システム、ネットワークなどそれぞれの階層を調べなければならなかったが、『NetworkIT』を導入すると、それらをまとめて業務ごとに管理できる
- サーバー、ルーターだけでなく、ネットワーク上のすべてのデバイスを自動的に検知する。どのセグメントに何がつながっているかも認識する。それらを、グラフィカルなインターフェースでわかりやすく表示する
- サーバーの固有のリソースも監視する。HDDの空き容量、特定のプロセスやデーモンの状態、CPUの負荷などを監視し、一定のしきい値を超えると警告を発するように設定できる。警告に対応するために、バッチファイルやスクリプトを自動的に起動させることも可能
- 物理層からアプリケーション層まで、すべてのネットワークのトラフィックを計測して傾向を分析し、Excelのグラフ表示などでレポートできる
- 問題が発生した場合、複数のイベントの相関関係を解析して、根源的な問題を発見する発生源識別機能を搭載
ネットワークに接続している機器を、グラフィカルに表示する。中央のペンギンマークは、Linux搭載マシン |
対応OSは、『NetworkIT 2.0』本体はWindows NT 4.0(SP6a)/2000で、『System Management Option』はWindows NT 4.0(SP6a)/2000に加えてAIX、HP-UX、Solarisとなっている。また、同製品を利用するには『Microsoft SQL Server 7.0』が必要となる。
販売とサポートは、200社弱のパートナー企業が行なう。価格は『NetworkIT 2.0』本体は1000IPまでで116万円、IP数無制限で174万円、『System Management Option』はWindows版10インストールまでで8万円、UNIX版10インストールまでが16万円となっている。
ターゲットとする顧客は中小企業などで、初めてネットワーク管理ソフトを導入しようとしている企業など。ソフトウェア自体はエンタープライズ系の大規模なネットワークにも対応しているが、CAでは「そういう場合は、『Unicenter TNG』を導入してほしい」としている。