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【CeBIT 2001 Vol.9】台湾VIA、新プロセッサー『VIA C3』733MHz版を発表

2001年03月26日 19時15分更新

文● 編集部 佐々木千之

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開催中の“CeBIT 2001”において25日(ドイツ時間)、台湾のVIA Technologies社は記者発表会を開催し、『VIA Cyrix III』の後継となるバリューPC向けプロセッサー『VIA C3』733MHz版を発表した。1000個ロット時の価格は54ドル(約6600円)。C3は“Samuel2”というコードネームで開発してきたSocket 370互換のプロセッサー。米インテル社のCeleronや米AMD社のDuronなどと比較し、消費電力が低いことや低価格であることが特徴。

『VIA C3』プロセッサー
『VIA C3』プロセッサー

0.15μmプロセスで製造され、ダイサイズは52mm2で、x86アーキテクチャーのデスクトップPC向けプロセッサーとしては最も小さいとしている。128KBの1次キャッシュと64KBの2次キャッシュをオンダイで搭載。“3DNow!”および“MMX”命令をサポートする。

Celeronとの消費電力比較グラフ
Celeronとの消費電力比較。733MHzでは平均消費電力で6W以下
Celeronとのベンチマークテスト結果
Celeronとのベンチマークテストの結果。同クロックのCeleronを上回る性能

これまでのCyrix III同様に、テキサス州オースチンのVIA Centaur Processor Design Teamが開発した。この0.15μmプロセス技術で製造する733MHzバージョン以降は、これまでの“VIA Cyrix III”から“VIA C3”に製品ブランド名を変更する。またそれほど間をおかずに800MHz製品もリリースの予定。

ブランドネーム変更の理由
ブランドネーム変更の理由。Cyrixの名前をはずすことで市場の無用の混乱を防ぐという

また、VIAは同時にセットトップボックスや小型のパソコンに向けた、215×191mmという小型のマザーボード規格“ITX”、およびそのITXマザーボードを搭載した小型パソコンのリファレンスデザイン“Information PC”を発表した。さらに、800×600ドットの液晶ディスプレー、CD/DVD-ROMドライブ、PCカードスロットなどを備えた、ペン操作のワイヤレスタブレット型PCのリファレンスデザイン“VIA Web Pad”も発表した。

VIA社社長兼CEOのウェン・チー・チャン氏
VIA社社長兼CEOのウェン・チー・チャン氏

発表会でVIA社社長兼CEOのウェン・チー・チャン(Wen Chi Chen)氏は、「VIA C3は、高い性能と強い価格競争力を持った、非常に広い分野に応用可能な製品だ。OEM製品メーカーやシステムインテグレーターに、魅力的な価格で新しい製品分野の可能性をもたらす」と述べ、低価格プロセッサー分野に引き続き力を入れていくと表明した。

C3-800MHzを搭載するマザーボード
VIAブースに展示されていた、C3-800MHz(表示はCyrix III-800MHzとなっていた)を搭載するマザーボード

会場にはCyrix III-700MHz(C3ではない)を2基搭載したラックマウント型サーバーや、IEEE802.11bの無線LAN機能を持つSOHO向けサーバーなども展示されるなど、VIAの低価格プロセッサー戦略が着実に浸透していることを印象づけた。

IAが提唱する“ITX”規格のマザーボード
IAが提唱する“ITX”規格のマザーボード
“VIA Web Pad”リファレンスデザイン
“VIA Web Pad”リファレンスデザイン
ServerLinux Network社のラックマウント型サーバー
ServerLinux Network社のラックマウント型サーバー。Cyrix III-700MHzを2基搭載する。チップセットは『VIA Apollo Pro 133A』、OSはTurboLinux Server Edition

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