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Adobe Photoshop 6.0 日本語版

Adobe Photoshop 6.0 日本語版

2000年11月20日 12時01分更新

文● 伊藤裕也

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 次の「塗りつぶしレイヤー」は、Photoshop 5.0から搭載された調整レイヤーと似た働きをする特殊なレイヤーで、グラデーションやテクスチャパターン、または描画色による塗りつぶし効果の設定が可能だ。設定は調整レイヤーと同じく専用のダイアログから行い、ラスタライズするまでは何度でも手早くその設定を変えられるようになっている。一度グラデーションをつけてみたものの、後からそのグラデーションパターンの間隔だけを変更したくなった――というようなワガママな要望にも、塗りつぶしレイヤーなら容易に対応できる。

黄色の背景の上に、オレンジから透明色に変化するグラデーション効果を持つ「塗りつぶしレイヤー」を適用。なお、レイヤーサムネイルの隣は、レイヤーマスクのサムネイルである。
コンテンツレイヤーの内容の変更は、レイヤーメニューから簡単に行える。

 Photoshop 6.0では調整レイヤーと塗りつぶしレイヤーを合わせて「コンテンツレイヤー」と呼んでいる。これらコンテンツレイヤーは最初に設定した内容(属性)を、異なるものに変更可能だ。これは極端な例だが、グラデーション描画の属性を持った塗りつぶしレイヤーを、レベル補正の属性を持った調整レイヤーに変更する――というような芸当もたやすく行える。



レイヤースタイルを適用すると、レイヤーに対してさまざまな表現を付加できる。上から順にレイヤースタイルを適用しない状態、ダブルリングの光彩、クリアエンボス。

 続く「レイヤースタイル」とは、レイヤーにドロップシャドウやエンボスなどの特殊効果を付加する「レイヤー効果」を、まとめて管理するための仕組みだ。この機能を使うと、複数のレイヤー効果をひとつの“スタイル”として扱えるようになる。登録したレイヤー効果の設定はすべて保持されるため、普段よく使うレイヤー効果の設定・組み合わせをスタイルとして登録しておけば、作業能率は大幅に向上するだろう。ちなみに、Photoshop 6.0では大理石風のテクスチャや陰影際立つボタン風のものなど、レイヤーにさまざまな表情を付加するプリセットスタイルが合計145種類も登録されている。

 最後の「新しいレイヤー効果の追加」についてだが、新たに加わったレイヤー効果は「カラーオーバーレイ」「グラデーションオーバーレイ」「パターンオーバーレイ」「境界線」「サテン」の5種類。最初の3つは、描画領域を単色・グラデーション・テクスチャパターンで塗りつぶすためのもので、続く境界線は、描画領域の周囲に文字どおり境界線を描くというもの。サテンは、描画領域に金属風の表情を付加する効果だ。



レイヤースタイルの設定ダイアログ。スタイルの一覧が左側に表示されるようになり、使い勝手が向上している。

 なお、それぞれのレイヤー効果の設定ダイアログは、今回から「レイヤースタイル」の設定ダイアログとして統合・再構成されている。これにより、レイヤーに対してどのような効果が適用されているのか一目で把握できるようになっている。

 これらの機能強化により、作業能率は大幅に向上し、また、表現力も増している。特にレイヤーセットは、細かい図形を描いたレイヤーを数多く作成するようなユーザーはもちろん、作成したレイヤーをカテゴリごとに分けて管理するという意味で多くのユーザーにとっても有益で、受ける恩恵は大きいといえよう。



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